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明治大学理工学部と共同研究で明らかに

APC製ラック、阪神淡路大震災の揺れに耐えると判明

2009年11月30日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 11月25日、エーピーシー・ジャパンは明治大学との共同研究の結果、同社のラック「NetShelter SX」が阪神淡路大震災クラスの地震の揺れ(地震動)に耐えられることがわかったと発表した。

共同研究を行なった明治大学理工学部建築学科構造システム研究室

 これは、2008年11月から2009年6月にかけて行なった明治大学理工学部建築学科構造システム研究室(荒川利治教授)との産学連携の共同研究において、APCジャパンが販売するデータセンタやサーバルーム用ラック「NetShelter SX」シリーズの振動実験をした成果。データセンタにラックを設置する実際の運用環境を想定し、ラックを連結して不均等な積載がある場合、異なるサイズのラックを用いる場合に兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)の地震動に対する影響を検討した。

 実験の結果は、以下の通り。

ラックサイズ別実験で使用されている、NetShelter SX型番AR3130

NetShelter SXを最大で4連結した利用状態における実験

 NetShelter SX型番AR3100は、連結して利用した場合において、積載量の偏在により、ねじれ応答が生じるものの、兵庫県南部地震規模以上の地震動にも耐えることが可能な剛性、強度および減衰性を有しており、耐震性能という観点からデータセンタ内に設置するのに十分なスペックを持っている。

NetShelter SXのサイズの異なる4つの型番製品の単体での利用状態における実験

 NetShelter SX型番AR3130、AR3150、AR3300、AR3350は、データセンタに設置した場合において、すでに実証実験済みのAR3100の場合と同じく、兵庫県南部地震規模以上の地震動に耐えることから、各ラックは耐震性能という観点からデータセンタ内に設置するのに十分なスペックを持っている。なお、低層建物においては、すでに実証実験済みのAR3100同様に、ラック免震装置の併用が、より有効な地震対策である。


 

 明治大学との共同研究は、ラックの耐震結果を産業界や教育界で活かすことを目的に、2007年4月から実施しており、負荷の搭載、ラックの連結といったデータセンタやサーバルームの実際の利用状態を想定した実験を展開している。

 APCジャパンが2008年10月~11月に同社顧客を対象に実施した、データセンタやサーバルームの地震対策状況の調査によると、「地震によりIT機器に被害を受けたことがあるとの回答は1割」、「現在の地震対策状況が不十分だと考えているとの回答は4割」であることが浮き彫りになったという。

 こうしたことからAPCジャパンでは、今後も地震大国日本に適したラックの研究の実施、および研究結果に基づいたデータセンタに相応しいラックの開発・提案を通じて、顧客の地震対策に貢献していくとしている。

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