表面にデコボコが少ないので、カバンに入れやすい
遠藤 この製品が想定するユーザー層はどんな感じですか? ネットブックで入ったんだけど性能に満足できなかった層とか、いろいろな言い方はあると思うんですけど……。例えば、ネットブックは意外に主婦が買っている。自分だけのパソコンがほしいけど今までのパソコンは高価で買えなかった。「安い」から逆に「簡単そう」に感じるという意見もあります。
土井 LOOX Cに関しては、女性ではなくて、どちらかというと20代から30代の男性ですね。
遠藤 あっ、男性なんですか! 僕はまた「あゆ」(浜崎あゆみ)の世界を目指しているのかなと、思いました。
土井 ええ、男性がターゲットですね。
遠藤 なんと! その割に真っ赤なモデルとかありますよね!? ……突っ込むなみたいな(笑)。
土井 3色のバリエーションがあって、基本ブルーと黒が男性向けです。ただし、これだけだと市場が絞られてしまうので、赤も用意しています。赤といってもいろいろありますが、ルビーレッドの深い赤は男性女性問わず、幅広いお客様に高級感、上質感を感じていただける色だということが、調査を通じて分かりました。 はっきりとした色でインパクトがあり、しかも多くのお客様に好まれる色味ってなかなかないんです。しかもグローバル(海外)でも通じる色なんです。 本当に貴重です。基本的には男性の大学生やビジネスリーダーに向けた製品を目指しています。
遠藤 ビジネスリーダー! ……いずれにしろ、男性の独身者をターゲットにしたPCなわけですね。
土井 そうなんです。
遠藤 かつて20代~30代の男子を狙ったマシンというと、もっとこう荒々しさというか、ハイテク感というか、凶暴なものがありましたよね。もっと鋭角的だったりとか、したもんですけど。どちらかというとやわらかい雰囲気ですよね。時代は変わったな。ふちに光モノのパーツなんかも入っててアール(曲線)を強調しているし。
土井 天板の周りのリング(メッキパーツ)はデザイン面での富士通の方針なんですよ。店頭モデルは共通したデザインになっています。
遠藤 つまりデザイナーが考えたんじゃなくて、デザイナーに課せられた使命だったと。旧機種で言うと、LOOX Tはフラットな天板だった。その前のLOOX Sも。今回は“平らに戻った”という言い方もできるかもしれない。LOOX Tはなかなかの名機だったと思うんだけどなぁ。
絞り込みつつも、こだわった機能
土井 ここでちょっとアピールしたいことがあるんですが。
遠藤 おお、ぜひアピールしてください!
土井 今回ODD(光学式ドライブ)は載せてないんですが、無線LAN経由で別の装置のODDにアクセスできる機能があるんですよ。
遠藤 (LOOX Cを操作しながら)あっこれだ。DVDドライブ共有。
土井 相手側(デスクトップPCなど)のWindowsのコンピュータ名とパスワードを登録しておくと、ドライブの専用アイコンが見えて、内蔵の光学式ドライブと同じ感覚で使えます。ネットワーク共有とは異なり、専用のアプリケーションで手軽に使える点が利点です。ライティングには対応していないのですが、ソフトのインストールなどは行えます。
遠藤 ドライブがない点は気になってたんです。わざわざそのために外付けのドライブ買うのはもったいないじゃないですか。……それ以外には?
土井 これはLOOX Cシリーズだけではなく、富士通のノートパソコン全般に言えることですが、エコモードをサポートします。専用ボタンでサポートしている機種もありますが、LOOX CシリーズではFn+F11ボタンで切り換えます。オーディオ機能、ワイヤレスLAN機能、有線LAN機能などをオフにして、バックライト輝度も下げて、電力消費を抑えます。あとは、海外モデルのみですがコンピュータのトレース機能ですね。
遠藤 それはなんですか。
土井 パソコンが盗難されたときにネットワーク経由で追跡できる機能です。この装置がLANにつながっていないと検索できないんですけども、セキュリティー面でのリスクを抑えることができる。
遠藤 なるほど。
土井 また海外向けの製品では携帯電話もサポートしています。
遠藤 SIMカードを入れるスペースがあると。
土井 国内モデルは非サポートですが海外モデルではサポートしてます。
遠藤 国内ではやらないんですか。
土井 国内ではまだそういう話がありませんが、機能としては持っているので、インフラの整備や市場環境(動向)を注視しながらタイミングを見計らっています。