目標の1000本掲載はクリア! 次に目指すは2000本
―― 読者の属性や、サイトの反響について教えてください。
高橋 読者は初期の頃はけっこう掲示板の書き込みが活発で、オフ会も10回くらいやりましたね。ここ数年は小さなオフを年に数回やるだけで、かなり落ち着いてきたと思います。最近はごく親しい方とmixiなどで盛り上がることが多いかも知れません。昔ほどサイトの更新は密ではなくなっている感じで、ブログも自由気ままに書いている感じかな。
読者の中心は40~50代の方が7割ほどを占めているんじゃないでしょうか。中には団塊の世代の方で、セカンドライフを楽しもうとして見に来てくれている方も多いようですね。特に若い世代の方は結構こだわりがあるのか、一般受けするスギには目もくれず「銀杏(イチョウ)がいいんだよ!」と言ったりしていますよ(笑)。
―― すでに上の域に達しているんですね(笑)。ではサイトのほうは今後もあまり更新していかないんでしょうか?
高橋 そんなことはないですよ。一応、サイトを始めたときの目標が1000本だったので、それは達成しましたが、使命感もあって2000本くらいまではやるんじゃないかなあと思います。ほかにも、更新しているうちに気になるところがちょくちょく出てきたので、徐々に改良していこうと思っています。たとえば、今の都道府県別巨樹MAPで山梨県を見ると、本数が多くなりすぎたから、巨樹ポイントがくっついたりして使いづらくなっています。だから、1.5倍くらいの大きさの地図に置き換えていこうかなと思っています。
―― コンテンツが充実したからこその悩みですね。ただ、そういうメンテナンス作業というのは、楽しさが少ない割に大変だったりしますよね。サイト更新に力が入っていないときに、やらなきゃいけないことが増えると、心が折れたりしませんか。
高橋 まあ、マイペースでやろうと思いますね。でも、たぶん心は折れないですよ。正直なところ、20年強の間に「もう巨樹いいや」と思ったことは何度かあるんです。でも、すぐにまた巨樹を見たいという気持ちがぶり返してくるんですよ。
何かの文献で巨樹に関する新しい情報を見つけたり、全国から「でかいカツラが発見されたよ」という情報が届いたりすると、気持ちが盛り上がるんですね。サイトを続けていることでそういう情報を得ることも多々ありますから、更新を放置するような状況にはならないでしょう。
ただまあ、最近はそういう波がなくなって、安定して興味を持ち続けていますけどね。
―― 先ほどお話に上ったイチョウですが、サイトのエトセトラコーナーで専用マップを公開していますね。やはり、マニア層に向けて作ったのですか?
高橋 あれは、オランダの研究者の方に頼まれたんですよ。ヨーロッパのイチョウを研究している有名な人みたいで、日本のイチョウのデータがほしいというので作ったんです。
イチョウといえば、日本のどこにでもあるじゃないですか。でも1億年くらい昔に誕生した木なので、亜種というか奇形が多くて面白いんですよ。たとえば、葉っぱがラッパ状になっているものや、葉っぱの上にギンナンが乗ったままになるやつだとか。そういう木が時々あって、公的に見つかったものは国の記念物になっています。だけど国や自治体に気づかれずにいる奇形も結構多いんです。俺と知人の研究者と一緒に調査したら、全国で何本も発見しました。
巨樹の楽しみ方とは違うけど、木というのはそういう面白さもあるんですよね。
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