デジタル時代のDJは「どこでも出来る」がカギ
――では次のシーンに求められるDJスタイルって何でしょう?
星野 DJも最初はターンテーブルをいじっているうちに、ああいうスタイルが出来てきたと思うんですね。本来の目的とは違う使い方からスタートしている。そういう視点から見ると、デジタルでも新しいものが作るんじゃないか。それとフロア以外に音楽を持って行きたいな。
清水 どこでも出来る、というのはこれからのキーワードかなと思っているんです。そしてアーティストの方が「もっと新しい表現を」と言った時、それに使えるツールという側面も。いくつか試作したんですが、DJにNGを出された中には盾みたいなエキセントリックなデザインもあって。最初はそれを本気で作ろうと思っていたんですが、今思えばこんなの絶対無理っていう。「聖闘士星矢」に出てきそうな感じだったんです。
星野 それ見てみたいですねー。意外と海外ではそういう方がいいんじゃないですか。
清水 nextbeatの未来の形としてはアリじゃないかなと思っています。あくまでnextbeatは「next」なので、新しい提案をしていきたい。ただ一号機は、今までのノブも残したし、DJ機器へのオマージュというか。僕は「半歩はみ出た製品」と呼んでいるんですが、あえて抑えて作っている部分もある。次はもう……。
星野 ぶっ飛んでるの、見てみたいですねー。
――お二人の提案する新しいプロダクトを楽しみにしています。今日はありがとうございました。
著者紹介――四本淑三
1963年生まれ。高校時代にロッキング・オンで音楽ライターとしてデビューするも、音楽業界に疑問を感じてすぐ引退。現在はインターネット時代ならではの音楽シーンのあり方に興味を持ち、ガジェット音楽やボーカロイドシーンをフォローするフリーライター。