気になるリリース時期は?
IE9は、パフォーマンス面でもトップを目指している。現在のテストモジュールでも、すでにJavascriptのベンチマークソフト「SunSpider」で、Firefox 3.6やChrome 4などと肩を並べるぐらいに高速化されているという。ただし、これらのデータは、現在の値であって、競合ブラウザーも高速化競争を止めていないため、IE9もますますパフォーマンスチューニングが必要になるだろう。
IE9ではWindows 7をメインのプラットフォームにすることで、DirectXのさまざまな機能を利用することができる。特にDirect 2DやDirect Writeなどを利用すれば、ブラウザー表示にGPUの性能を活かせるようになる。また、Windows 7でサポートされているDirect Computeの機能を使って、GPU側にブラウザーの処理の一部を肩代わりさせることも考えられるだろう。
ユーザーにとって気になるのは、IE9のリリース時期だ。現在の開発段階からすれば当然だが、PDC09ではリリース時期に関しては一切明言されなかった。しかし、マイクロソフトのウェブ関連開発者会議「MIX10」が2010年3月に開かれることを考えると、3月時点でテクニカルプレビュー版(CTP版)が提供されることになると予想される。であれば、早ければ2010年の年末あたりにはリリースされるのではないか。開発状況によっては2011年に入るかもしれない。
しかし、この程度の開発ペースでは、FirefoxやChromeはさらに進んだバージョンアップを進めていくだろう。そのため、IE側がブラウザー市場でのシェア減少に歯止めをかけるには、競合ブラウザー並みの開発ペースが必要になるだろう。
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