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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第96回

ノマドワークのインフラをどう整えるか?

2009年11月19日 16時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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イー・モバイルか、ドコモか、WiMAXか?

 PC向けデータ通信を中心に順調に加入者数を伸ばしているのがイー・モバイルである。HSPA+、HSUPAをいち早くサービス化し、下り21Mbps、上り5.8Mbpsを実現するモジュールを発売し始めた。またSkypeなどのビデオチャットも制限なく利用することができ、人気がある。

 イー・モバイルからは「Pocket WiFi」という新しい端末が発売された(関連記事)。これはHSUPAに対応した、バッテリーと無線LAN機能を搭載したモバイルのアクセスポイントで、最大4時間も動作する。

Pocket WiFi

今話題になっている「Pocket WiFi」。無線LAN経由でイー・モバイルの回線を複数のPCなどで共有できる

 エリアについても、東京メトロなどの地下鉄ホームでもほぼ使えるようになってきており、シェアオフィスに専用アンテナを設置したりするなど、ビジネスエリアでの快適な接続を確保する動きを加速させている。Pocket WiFiはiPod touchやニンテンドーDSなども利用できるため、オンオフともに活躍しそうな端末だ。

 一方、僕が使っているのは以前ご紹介したドコモ「L-05A」である(関連記事)。HSUPA(上り5.7Mbps)でアップロードのスピードも速いモジュールだ。

L-05A

L-05A。HSUPA対応で最大5.7Mbpsのアップロードにも対応する。またプロバイダーをmopera Uにして公衆無線LANオプションを付ければ、Mzoneの無線LANスポットも利用可能になる

 なんと言っても日本中に広がる対応エリアがポイントで、上述の記事でも長野の蓼科からUstreamでのライブ中継の実験をしてうまく映像・音声を発信できた。地下鉄なども含めて非常に快適なアクセスが可能である。

 今まで月額料金が高いイメージがあったが、実質的には他者のサービスと大きく変わらなくなってきた。大都市を中心として活動し、より高速な通信を利用したければイー・モバイルを、日本全国を飛び回る人にとってはドコモを選ぶと良いのではないだろうか。

 また速度と料金の両方で優位性があるサービスがWiMAXだ。UQ WiMAXでは、実測10Mbpsオーバーと3G回線に比べると2倍程度のスピードの接続が可能になる。都営地下鉄のホームでは公衆無線LANサービスへのローミングに対応するし、12月にはau回線との両対応のサービスも予定されている。こちらもそろそろ候補に挙がってきそうだ。

WiMAX

WiMAXの魅力は通信スピードの速さ。実測で下り10Mbpsの速度がコンスタントに使えるようになれば、現状の3Gインフラを使った通信モジュールを脅かす存在になりそうだ

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