UPS選びの新ルール! 自動電圧調整機能付きをチョイスすべし
背面は各種機器との接続部分になる。まず左側に3つ並んでいるのが「バックアップコンセント」。ここにコンセントを差しておくと、電圧低下やサージなどの電源トラブル時にUPSの内蔵バッテリーがバックアップしてくれる。
パソコンやルーター、ゲーム機、HDDレコーダーなど破損が許されないクリティカルな機器に充てるのが定石だ(なお、メインのパソコンは必ず左側の最上段のコンセントに差し込もう。後述するマスタ連動コンセントの機能を使うためだ)。
次に右側の3つが「サージ保護のみコンセント」。名前の通り、サージによる過電圧から機器を守ってくれる。液晶ディスプレーやプリンターといったパソコン周辺機器、SSD内蔵機器の充電器などを差しておくのが一般的といえる。
さらに左上の端子×2が「回線サージ保護ポート」で、電話やネットワーク回線経由で侵入するサージから機器を保護する。インとアウトで1系統なので注意。最後に右上の「インターフェイスポート」は電源管理ソフトをインストールしたパソコンとつなぐための専用端子だ。
また、バックアップコンセントの最上段(マスタコンセント)と、サージ保護のみコンセントの上2つ(マスタ連動コンセント)は連動しているので、これを利用することでパソコンとその周辺機器の電源ON/OFFを一括制御できる。省エネ対策にもってこいだ。
そして新型「RSシリーズ」のキモと言ってもよいのが「AVR Boost&AVR Trim(自動電圧調整機能)」。商用電源(家のコンセント)からの電圧が若干低い/高い場合にUPS内で自動的に電圧を最適化して出力する機能だ。
いずれも内蔵バッテリーは使用せずに調整される。頻繁な電圧低下に悩まされているわが家のような環境には嬉しい。一般家庭におけるパソコンの慢性 的な不調は結構な確率で電圧が原因だったりする。身に覚えのある人はこの自動電圧調整機能が付いたUPSの導入を検討してみてはいかがだろう。
いくら自作に凝っていても、電源周りは高価な電源ユニットを買う程度で済ませている人がほとんどではないだろうか。この機会にUPSにも目を向けていただければ嬉しい。幸いなことに今回紹介した「APC RS 550」は、あからさまに業務用チックだった前モデルとは異なり、ユーザーフレンドリーに仕上がっている。この記事で初めてUPSを知ったという人でも簡単に導入できるだろう。最初のUPSとしてオススメしたい一台だ。
【結論】やはり家庭でもUPS経由が安全だ!
いまさら言うまでもないが、一般家庭はオフィスに比べ電圧の変化が激しい(ほとんど場合は許容範囲内だが)。要するに電圧低下や瞬間停電によるデータ破損は、オフィスよりも家庭で起こる可能性のほうが高いわけだ。
ならばUPSを業務用のままにしておくことはない。
ましてや家電へのHDD搭載が当たり前になった昨今、電源周りのリスクはこれまで以上に重要視すべきだろう。家庭内のデータ総量はひたすら増加していくことを考えると、一般家庭向けUPSの需要も自然と増えていくと思われる。
Core i7を狙うのも良いが、冬場の消費電力が増える前にちょいとコンセント周りに気を配ってみるのも一計ではなかろうか。
今回使用したUPSの主なスペック | |
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製品名 | APC RS 550 |
製品型番 | BR550G-JP |
運転方式 | ラインインタラクティブ方式 |
定格入力電圧 | AC100V |
入力電圧許容範囲 | 初期設定 下限82V、上限123V |
出力コンセント数 | 6個(バックアップ×3、サージ保護のみ×3) |
バッテリバックアップコンセント最大出力容量 | 550VA/330W |
定格出力電圧 | 100V ±8% |
サージ・ノイズフィルタ | あり |
電話・ネットワーク回線保護 | アナログ回線、ADSL、ISDN、10/100Base-T/TX |
バッテリ通常寿命(使用温度/年数) | 5~25℃:4年、30℃:2.8年、35℃:2.0年 |
寸法 | 幅91×高さ190×奥行310mm |
重量 | 約7.1kg |
無償保証期間 | 2年間 |