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ワイヤレスで配線スッキリ! パイオニアのフロントサラウンド

2009年11月18日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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「ドルビーTrueHD」対応など安価なモデルながら十分な機能を備える

本体中央の操作部。ボタンは5つあり、左から電源、入力切り替え、モード切替、ボリュームアップ、ボリュームダウンとなっている

本体中央の操作部。ボタンは5つあり、左から電源、入力切り替え、モード切替、ボリュームアップ、ボリュームダウンとなっている

 スピーカーの詳しい内容を見ていくと、フロントには7.7cmのコーン型を左右各1個、センターには同じく7.7cmコーン型ユニットを2個使用した4スピーカー構成。サブウーファーは、16cmコーン型を1個使用している。

 実売で4万5000円ほどの価格ながら、樹脂製のスピーカーのボディも十分な強度を持っているし、薄型を生かしたデザインの良さもあり、思ったほど安っぽさを感じないのが良い。サブウーファーはもちろん木製のボディを使っている。

 ハードウェア的に気になったのは、本体部、サブウーファー部ともに脚部が付いていないこと。意外とこれが音への影響が大きい。

リモコンは他社のAV機器も操作が可能な多機能タイプで、再生用ボタンや十字キーなど、ボタン数はかなり多めだ

リモコンは他社のAV機器も操作が可能な多機能タイプで、再生用ボタンや十字キーなど、ボタン数はかなり多めだ

 機能的には「ドルビーTrueHD」対応デコーダーを内蔵し、BDなどのロスレス音声も楽しめるようになっている。もちろん、ドルビーデジタル、AACデコーダーなども内蔵しているので、DVDや地デジ放送もサラウンドで楽しめる。

 サラウンド再生は独自の「フロントサラウンド・アドバンス」。これに加え、アドバンスドモードとして映画用や音楽用、ゲームなど9種類の音場効果が選べるようになっている。音楽再生用の機能として、MP3などの圧縮音声のデータの失った音楽成分を蘇らせる「A.S.R.」(アドバンスド・サウンドレトリバー)や、異なるCDの音のレベル差を揃えて再生する「A.L.C.」(オートレベルコントロール)を備える。これらの機能はリモコンで直接機能のオン/オフを切り換えられる。決して多機能ではないが、映画や音楽、ゲームなどを手軽に楽しむにはちょうどよいだろう。

 機能面で気になったのは、サウンド調整ができないこと。できるならば、サブウーファーの音量レベル調整を独立で調整できると、より低音感の調節ができてありがたいのだが。また、「プレイステーション 3」をプレーヤーとして使ったとき、同じ2.4GHz帯を使用するワイヤレスコントローラーと干渉したのか、ときどきサブウーファーから音が出なくなることがあった。電源オン/オフをすることで復帰できるが、プレイステーション3を使うときは、コントローラーをUSB接続にした方がいいだろう。


リーズナブルな価格ながら本格的なサラウンドが楽しめる

 実際にBDソフトなどで音を聴いてみると、かなりサラウンド感が明瞭なことに驚く。リアの音は少々実体感が足りない漠然とした質感なのだが、それでもきちんと後方から聞こえる。これはフロントサラウンドではかなり珍しい。

 定位もわりと良いし、移動感も感じられるのだが、少々薄味というか、もう少し音に厚みが欲しいなどとないものねだりをしてしまうほど。

 その分、空間の広がりや狭い室内で響く靴音などの反響音はかなりリアルに再現され、包まれるような音場を自然に再現する。左右の広がりも十分だが、どちらかといえば前後の広がりが豊かでしっかりとしたサラウンド感がある。

 音質は中~低音の厚みのある音で、聴き応えのある力強い音になっている。あまり細かい音まで精密に描写するタイプではないのだが、音が出る瞬間の勢い、強弱のニュアンスなどはしっかりと出るので、音楽ソフトなどを聴いてもなかなか気持ちがいい。5.1ch収録されたクラシックのソフトでも、ホールの響きなどの空間がきれいに再現された。

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