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メールをデータベース化して高速検索を実現

数万のメールから一瞬で目的の1通が見つかる! Sylpheed Pro

2009年11月30日 06時00分更新

文● 宇野貴教

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充実したキーボード操作により
スムーズなメールの閲覧、作成が可能

 見た目のインターフェースはシンプルだが、受信やメールの返信、新規作成、アドレス帳といったよく使う機能はボタンで装備されている。しかし、PCを使い慣れてる人なら、多くのショートカットキーが用意されているので、キーボードのみでサクサクと作業が行なえる点にこそ注目したい。

迷惑メール対策機能

迷惑メール対策機能は、スパムフィルタソフト「bogofilter」と「bsfilter」の2つが用意され、どちらかを選択して利用する

 たとえば誰かにメールを送るには、「CTRL+M」で新規メール作成画面を開き、「SHIFT+CTRL+A」でアドレス帳からメールアドレスを選択、書き終わったら「CTRL+Enter」で送信という具合だ。受信したメールの閲覧も、「Space」で本文のスクロールを行ない、末端まで来ると次の未読メールにジャンプする。

 返信時も同様だ。まず「CTRL+I」でメールを受信、返信したいメールを選択して「CTRL+R」で返信メールの作成画面を開き、書いたら「CTRL+Enter」で送信となる。これらショートカットキーは設定ファイルを書き換えることで変更可能で、初期状態ではキー割り当てが未登録な機能も多い。カリカリにチューニングしてキーボード操作こだわる向きにはかなり魅力的な設計と言えるだろう。

強力なフィルタリング機能を搭載

フィルタリング機能

メールの振り分けはフィルタリングルールに正規表現が利用できる。アクションも豊富で上級者にも満足できる機能性を持つ

 メールソフトにいまや必須のフィルタリング機能は、一般的なキーワード指定によるマッチングのほかにも、正規表現を使ったフィルタリングをサポートする。正規表現を駆使すれば、より柔軟な振り分けが可能になるので必要とする人も多いだろう。

 フィルタリングにマッチしたときのアクションも、受信拒否やサーバ削除、既読化、任意のコマンド実行など豊富だ。このあたりもキーボード操作同様に、初心者が普通に扱えるだけでなく、上級者にも満足できる作りが目指されている。


開発者に聞く! Sylpheed Proが生まれた理由とは?

―― そもそも、メールソフト「Sylpheed」を作ろうとしたきっかけは何ですか?

山本博之氏(以下、山本) 学生時代からLinuxを常用しており、当時Linux用のメールソフトを探していましたが、結局よさそうなものがなかったので、自分で作ろうと思い立ちました。

―― キーボードカスタマイズの自由度の高さも特徴ですが、おすすめの使い方、カスタマイズがあれば教えてください。

山本 使いなれているメールソフトがあれば、それにキーバインドを合わせると移行しやすいですね。また、送信には標準でCtrl+Enterが割り振られていますが、入力中に誤操作でうっかり送信してしまう場合は、これを変更するといいかもしれません。

―― PostgreSQLを使った検索機能を、今度どのように強化していく予定ですか?

山本 現在は単語が完全に一致するものしか検索できませんが、前方一致検索ができるようにして、多少表記のゆれがあっても許容できるようにする予定です。また、入力欄や検索結果などの検索インターフェースも、より使いやすいものに改善していきたいと考えています。

―― 検索機能以外で強化・改善する予定を教えてください。

山本 現在マルチスレッド化を進めており、より高速・快適に操作できるようにしたいと考えています。ほかには、アドレス帳の強化、他メールソフトからのデータのインポート機能の強化、印刷機能の改善、Windows VistaやWindows 7との親和性の向上などを考えています。


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