このページの本文へ

四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第7回

現役音大生と銀座のホステスが、ネットと音楽で目指すもの

2009年11月15日 12時00分更新

文● 四本淑三

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

吹奏楽曲の編曲が気に入らなかった

――音大って、やっぱり「のだめ」の世界ですか?

Treow のだめ、最初くらいしか読んでいないんです。演奏系の人は猛練習してコンクールに出たり、「音大生らしい」んですが。作曲系は自由奔放と言うか……。

――Treowさんは作曲系?

Treow はい。

――楽器は何をやってきましたか?

Treow 中学の吹奏楽部でサックス、高校、大学でウッドベース、エレキベースを。ピアノは小1の頃からです。

――作曲に興味を持つようになったのは?

Treow (出版社から出ているスコアの)吹奏楽曲の編曲があまり気に入らなかったんです。だから「僕に(編曲を)やらせてくれ」と言ったのが最初かも。基本的に自分でやらないと気が済まない性質なので、本当に納得のいく音楽を作るなら、自分で一から作曲してみようという考えに。

――自分の音楽センスに反すると。今までどんな曲を聴いてきたんですか?

Treow 高校の頃は、普通の曲よりアニメやゲームのサントラを聴いていたくらいです。他には矢野顕子、坂本龍一、スーパーカー……。サザンやミスチルのような、いわゆるJ-POPを聴き始めたのも高校に入ってから。

――今の作風から想像できないくらい素直な趣味なんですが。

Treow そうですね、高校までは。大学に入って自分が好きなのがどういうジャンルかが分かってきて、ドラムンベースや、Warp Recordsのようなエレクトロニカなどを集中して聴きました。友人の影響もあって。

――いわゆる打ち込みでの作曲はいつ頃から?

Treow 本格的に始めたのは大学に入ってから。初音ミクの曲は発売当初から聴いてました。人間的な歌い方を残しつつ、もっと楽器的な使い方は出来ないかと作ったのが1作目の「L'azur」です。




――それが「逆衝動P」の誕生なわけですが、ハンドルネームはどこから?

Treow 「L'azur」の歌詞からです。「逆衝動」という詞が印象的だったのか、どなたかが「逆衝動P」というタグを付けまして、それを使う事にしました。「Treow」はサークルを始めたときに考えました。

――そのサークルは「Elektlyze※1」のことですか?

Treow はい。その頃読んでいた村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」にかけて、end of the worldを略した「eow」で終わる単語を探して、「treow※2」という英古語を見つけました。

※1 Elektlyze : 作詞のNaturaLe(なつられ) さんとの音楽サークル

※2 Treow : 樹(tree)と真実(true)の語源となった英古語。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン