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インテル社内のPC、4万台以上がvPro有効化済み

vPro導入、国内でも少しずつだが事例登場

2009年11月13日 10時00分更新

文● 遠竹智寿子

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SaaSと組み合わせた遠隔管理

 vProテクノロジーの利用には、管理ツールなどのソフトウェアも必要となる。

 エチャベリア氏によると「vProのエコシステムは、80以上のソフトウェアサポートと5千を超えるチャネルに支えられた強固なもの」だという。vProは、71%のFortune100企業、57%のGlobal100企業など世界各国で展開され、日本国内でも様々な業種、大/中小企業の導入が展開されているという。

 今回、国内事例として紹介された企業のうち以下の3社(シーズメン、郵船情報開発、エム・オー・エム)では、vProの特徴である、ハードウェアベースのセキュリティ機能やリモートによる遠隔管理機能を用いて、システム運用の効率化、サポート要員の少人数制などを果たした。SaaS型統合運用管理プラットフォーム「SRS」(Site ROCK Remote Station)を組み合わせた事例だ。

 IT管理者は、インターネット経由で提供されるSRSの運用管理メニューを利用して、問題が発生しているPCの検知、ネットワーク接続の管理と遮断、セキュリティパッチの配布、電源のON/OFF制御などが遠隔地からでもコントロールできる。また、ウィルス対策の適応状況やソフトウェアのライセンス状況などを一元管理でき、企業のセキュリティー・ポリシーを徹底させるといったことが可能となる。

 シーズメンは、衣料品や服飾雑貨の店舗を全国展開する企業である。各店舗の従業員たちを販売業務に専念させたいと考え、東京本社のIT担当者は全国のPCの運用について、少人数で効率良く運用する方法を検討していた。

 現在は、各地の店舗にvPro搭載PCを100台以上導入し、東京のIT担当者が札幌、名古屋、福岡などの店舗に出向くことなく、リモートによる一極集中運用を実現している。

 採用理由としては、キッティングを含め、PCの導入から運用管理までをワンストップで実現できること、(システムの)料金が月払いであることに魅力を感じた点などが挙げられる。。

 郵船情報開発は、海運・港湾向けのシステム開発やインフラネットワーク構築・保守運用を行っている企業である。

 同社の運用センターでは、運用受託を請け負う企業に対して、それぞれの顧客システムを監視しなければならない。クライアントPCの障害発生時には、電話サポートとオンサイトサポートを併用して対応してきたが、そのシステム運用の効率性を求めていた。

 現在は、vPro技術を利用することで、陸海空の国際郵送拠点に存在するクライアントPCを遠隔で効率よく運用している。

 具体的な利点としては、より多くの内容のリモートサポートが可能となることに加え、サポートサービスの充実と、コスト削減・内部統制強化の効果が見込まれる点が挙げられる。現在はオンサイトサポート要員が実施している、オンサイト(訪問)の対応も、将来的には運用管理者がリモートで行えるようになるとみている。

 エム・オー・エムは、医療関係の情報システム構築やシステムインテグレーションを提供する企業である。電子カルテソリューションや関連サポートサービスを各地の病院に提供している。

 医療情報化が進む中で電子カルテソリューションは、医療施設にとって非常に重要なものとなっている。そのため同社では、システムダウンやエラーなどを発生させないために、運用サポートやサービスデスク対応をしているが、効率化も重要となっている。

 現在はvProを導入して、各病院に提供している電子カルテソリューション搭載PCの運用サポートを遠隔で行っている。今後、ハードウェアの故障以外のPCサポートは、遠隔管理で可能になるとしている。

 導入ポイントとしては、サポートサービスの品質の向上、システム運用のコスト削減の効果が大きく見込まれることが挙げられる。

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