インテルは、11月12日、都内で企業向けプラットフォーム技術「インテルvProテクノロジー」に関する記者説明会を開催した。市場動向および今後の製品開発計画に加え、インテル社内における導入事例を紹介した。また、郵船情報開発やアイ・オー・データ機器といった、国内では初めてとなる事例紹介も行われた。
vProは、2006年10月の発表から3年を経て、徐々にそのブランド名が浸透し始めてきた。とはいえ、これまで(特に国内では)具体的な導入・運用事例が乏しい印象がある。
「TCO削減」や「生産性の向上」といったメリットがアピールされているが、導入を検討する側として具体的なイメージにつながりにくい面があったのではないか。
今回、事例紹介で上げられた国内企業についても、まだ具体的なコスト削減の数字などは出てきていない。とはいえデータセンターや運用センター、サポートセンターといった管理部門が、それぞれのポジションで、導入に至った背景や採用理由について紹介されている。
3年前のPCは58%以上セキュリティーリスクが高い
アーキテクチャー事業本部 副部長 兼 ビジネス・クライアント・プラットフォーム事業部長のリック・エチャベリア氏は、vProを取り巻く市場全体の動きや、同技術の今後についての説明と合わせて、国内における事例を取り上げた。
エチャベリア氏は「企業はここ数年、PCの入れ替え時期をさきのばしにする傾向にあったため、デスクトップで5年、ノートでは4年ほど前のモデルが多く利用されている状況がある」とした。一方で「3年以上前のPCは、最新型のPCと比較して58%もセキュリティリスクが高いというデータがあり、セキュリティ対策を含めたサポートや、運用管理のコストが増加している」と、企業のIT管理者たちが抱える問題点を挙げた。
市場では、Core i7やCore i5といった新プロセッサーの登場や、Windows 7への期待度の高さに加え、来年度以降になりそうだが景気回復の傾向も見られる。これら業界のトレンドをポジティブに捉えた上で、「2010年はPCのリフレッシュ時期が到来し、新たなPCの成長期が来る」とした。
もっとも「景気回復の見込み」については、その裏付けとなる話があったわけではなく、どちらかというと業界の「期待」を込めてといったニュアンスであったが。