アップル純正のDVIコネクタと比較する
REX-USBDVI2を使用した印象だが、システム環境設定の「ディスプレイ」ペインで表示モードを切り替えるなど、使い方はMini DisplayPortを経由する場合とほぼ同じ。信号はデジタル(DVI)で出力されるため、画質の差もない。違いは付属ユーティリティーの有無と、描画速度だ。
付属の「Multi Display Utility」は、ディスプレー間でウインドウを移動するショートカットキーの設定や、ディスプレーの識別(モニタに番号を表示)、デスクトップピクチャやスクリーンセーバの指定などを処理できる。画面を縦方向に回転できるなど機能豊富なWindows版に比べると、いくぶん質素には感じられるが、ショートカットキーの設定は可能なほうがありがたい。
描画速度は、Mini DisplayPort経由での出力と大きく異なる。定番ベンチマークソフト「Xbench 1.3」に含まれる描画関連テスト(Quartz Graphics Test、OpenGL Graphics Test、User Interface Test)を、モニタをミラーリングした状態で実行したところ、下表のように両者には明らかな差が確認できた。表計算やワープロ文書を表示しておくにはいいが、ゲームのような描画速度が重要なソフトは厳しいかもしれない。
Xbenchによるテスト
テスト名 | REX-USBDVI2 | Mini DisplayPort | |
---|---|---|---|
Quartz Graphics Test | 総合 | 55.89 | 200.04 |
Line | 45.45 | 151.74 | |
Rectangle | 42.41 | 198.84 | |
Circle | 41.33 | 172.4 | |
Bezier | 99.76 | 178.45 | |
Text | 103.45 | 507.39 | |
OpenGL Graphics Test | 32.57 | 75.89 | |
User Interface Test | 35.61 | 244.39 |
肝心な「どっちがいいのよ」という話だが、MacBook Pro限定でいえば、やはりApple Mini DisplayPort-DVIアダプタに軍配が上がる。USB 2.0端子を消費せず描画は高速、しかも安価(Apple Storeでは3400円)といいことずくめだ。
とはいえ、USB 2.0端子さえあればよく、WindowsとMacのどちらもOK、ノート/デスクトップの別を問わず使えるなど「潰しが効く」うえ、台数分を用意すれば最大で4台のモニタを接続できるというREX-USBDVI2の特性も捨てがたい。Mini DisplayPort非装備のマシンでもデュアルディスプレーを使う可能性がある場合には、いい選択肢になるのではないだろうか。
※次回は11月10日(火)掲載予定です
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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