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年末年始に録りまくる! 最新BDレコーダー選び 第4回

約10万円で買えるBDレコ対決~録画画質・編集編

2009年10月27日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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なぜここまでCM検出の精度が違うのか!?

 CM検出の結果を解説すると、パナソニックはCM部分をすべて検出し、チャプターをきちんと分割した。ただし、「本編(1)→オープニング→提供クレジット→本編(2)」と、CMを挟まずに番組が続く部分はチャプター分割を行なわなかった。特筆すべきはパナソニックのみが本編(3)終了後のCMを検出、予告と提供クレジットもきちんと検出してチャプター分割している。CMカットという意味では最優秀だ。

 ただし、精度は最大で10フレームほどズレる。ズレ方は本編に食い込む形。つまり本編部分の映像が最大10フレーム欠落するということだ。CMのキレ端が残ると、本編(1)と本編(2)の連続性が明らかに途切れてしまい、視聴していて不快なのでむしろ欠落しているほうがいい。BDに残すとなると本編部分の欠落が気になるが、10フレーム程度では実際のところ内容に問題はない。あとはどこまで神経質になるかどうかの問題だけだ。

 ソニーは、パナソニックと同様に本編(1)→オープニング→提供クレジット→本編(2)ではチャプターを分割しなかった。惜しいのは、本編(3)終了後はまったくチャプターを切っていない。また、もともと映像が大きく変化する位置でチャプターを分割し、場面から場面への移動をしやすくする機能でもあるので、本編(1)と本編(2)のそれぞれ中間あたりでもチャプターを分割した。

 優秀だったのは、チャプター位置の精度。これはほぼ±1フレームと言っていいほど正確。ただし、本編食い込みだけでなく、CM切れ端残しもあった。1フレームでも表示されれば認識してしまうので、視聴中は少々気になる。予告などでのチャプター分割をしない点は要改善だが、1フレーム精度にこだわって編集する人にとって、この精度は頼りになる。

 三菱は、本編(1)→オープニング→提供クレジット→本編(2)をきちんと分割したことが白眉。好みにもよるが、筆者はディスク保存の際、CMはもちろん提供クレジットも削除する主義。市販ソフトに含まれないものはすべて削除することにしている。だから、ここできちんと提供クレジット部分を検出してくれたのはうれしい。

 ただし、本編(3)終了後はソニー同様にチャプター分割はしない。精度についてはソニーほどの正確さではないが、ズレは最大5フレーム程度と十分優秀。しかも本編食い込み型で、CMの切れ端が残ることはなかったのも好印象だ。

 強いて評価するなら、視聴しやすいのはパナソニックと三菱、編集がやりやすいのはソニーということになるが、実用上ほとんど差はないと言える。そうは言っても人間の欲は尽きないので、3社すべての良いところを集約した完全な自動チャプター分割の登場を期待してやまない。

再生時にチャプター分割ができることの重要性

編集がしやすいと定評のあるDVDレコーダー「VARDIA」(東芝)の編集画面

編集がしやすいと定評のあるDVDレコーダー「VARDIA」(東芝)の編集画面

 編集機能の使い勝手でも軽く触れているのだが、現行のレコーダーではほとんどのモデルが再生中にチャプターを分割できる。多少の差こそあれ、レコーダーの編集画面での操作は動作がもっさりするし、小さい画面でちまちまとコマ送り/戻しをするのもあまり気分がよくない。

 筆者はもともとは再生中は視聴に徹する派で、編集するときは編集画面で気分を切り換えていたのだが、昔の編集等の動作がきわめて鈍重なレコーダーを使っていた頃、ふと思い立って再生しながらチャプター分割をしてみた。

 不思議なことにこれが実に軽快。再生時の早送り/早戻し、コマ送り/コマ戻しは、たいがいの機種がイライラせずに使えるようになっており、1フレームのズレも許さぬ気持ちのCM分割も案外スムーズにできてしまう。あとは編集画面で削除するCM部分を指定するだけ。まあ、ヘビーなレコーダーユーザーならば、すでにみな実践しているだろうが。

 実際のところ、どれだけ作業時間を圧縮できるかというと、ほとんど差はないかもしれないが、精神的にはずいぶんと快適になった。以来、再生中にチャプター分割ができない製品は購入候補から除外してきたし(現行モデルではすべて再生中のチャプター分割は可能)、チャプター分割も再生画面で行なう。

 自動チャプター分割の精度が向上したおかげで、チャプター位置の微調整もほんの数フレームだけとなり、編集はとても楽になった。「もしも、ディスクに残すならCMをきちんとカットしたいけど、作業が面倒で……」という人がいたら、ぜひとも再生中のチャプター分割を試してみてほしい。

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