総評 速度対決のベンチマークではXPに軍配
機能と性能を合わせてみるとWindows 7の価値あり
これらのベンチマークテスト結果を見てのとおり、速度を比較すれば全体的にXPの方が高い性能を示している。しかし、これを見て「ネットブックにはWindows 7よりもXPの方がいい」ことにはならないと思う。
WindowsはWindows Vistaでさまざまな機能が追加されたことにより、特に低スペックのマシンでは、XPよりもパフォーマンス面で劣るOSとなってしまった。しかしWindows 7は、Vistaと同等以上の機能を実現しながら、XPよりも少し遅いぐらいまでチューニングされている。
今後、アプリケーションや周辺機器のデバイスドライバーがWindows 7/Vista中心になっていくことを考えれば、ネットブックのOSもまた、Windows 7に入れ替わっていくだろう。また、XPはマイクソフトのメインストリームサポート期間が切れており、今後XPには新機能は提供されない。さらに、セキュリティー修正など最低限のサポートも2014年4月までしか提供されない。XPに対する優先順位がどんどんと低くなっていくだろう。
これらも含めて考えれば、XPより微妙に遅くても、Windows 7を利用する意味は大いにある。またベンチマークで遅いといっても、実際に使ってみると、XPとWindows 7で、大きなパフォーマンス差がある印象は受けない。
これは、Windows 7のアーキテクチャーにも仕掛けがある。たとえば、VistaではOSの起動が遅かった。Windows 7では、必要最低限のドライバーやサービスを起動して、早い段階でユーザーが操作できるようにしている。必要度の低いサービスなどは、必要になったときに起動するため、この仕組みによってユーザーから見ると、「起動が速くなったな」と感じられるわけだ。
ただしXPでも同様なのだが、ネットブックでOffice 2007などのアプリケーションを使うのは、非常に難しい。パフォーマンス面も問題だが、それより問題なのはディスプレーの解像度だ。今回のテストでもいくつかのベンチマークテストで、ウインドウの下にあるボタンが縦600ドットでは表示されなくて、外部ディスプレーを使用するはめになった。
Windows 7ではVistaのサイドバーがなくなったが、やはり縦600ドットでは使いにくい。Windows OSを快適に利用するには、Thin(薄い)&Light(軽い)のCULVノートの方が適当かもしれない。

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