コミュニケーションツールを切り離したWindows 7
一方、9月1日より企業向けのボリュームライセンスが開始されたWindows 7だが、Exchangeのクライアントとして利用するには、従来どおり別売りのMicrosoft Office Outlookを導入する必要がある。それどころか、Windows Mail、Windows Calendarといったアプリケーションさえ付属しない。
要するに、Windows 7には、電子メールをローカルに保存し、それを見るための機能が用意されていないのだ。オンラインで利用することが前提の携帯電話でさえ、メールはローカルに保存されるのが当たり前なのに、である。
ウェブのブラウズと並び、電子メールの利用、予定やアドレス帳など個人情報の管理は、PCの基本的な機能の一つであり、PCをコミュニケーションツールとして見るならば欠かせない機能であるハズだ。
オンライン/オフラインを問わず、これらは常にユーザーが利用可能でなければならない。にもかかわらず、Windows 7はその機能を放棄してしまった。
ユーザーはウェブメールなどのサービスを利用するか、マイクロソフトのウェブサービスと連動するアプリケーション集「Liveおすすめパック」、あるいはサードパーティ製のソフトなどを別途ダウンロードしなければならない。果たしてこれは進歩と言えようか。
GCD(グランドセントラルディスパッチ)
ディスパッチ(発行)という言葉は従来、CPU内に多数ある「実行ユニット」に対して、前処理(デコード)ユニットが命令を「発行」することを指してきた。
Snow Leopardにおいては発行元は「OS」であり、発行される側は「CPUのコア」である。CPUコアは長らく1つだったため、ディスパッチは問題になりようがなかっ たが、近年では4コアも当たり前、サーバー向けSnow Leopardは最大16のコアをハンドリングする必要がある。今後コア数が増えると、効率的な「発行」を行えるかどうかがOSの価値を左右するようになる。67のホームがあるニューヨーク・グランドセントラル駅に列車を割り当てるような高度な処理ができる、という趣旨だろう。
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