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意外に知らない「業務システムの裏側」 第4回

業務システム、三文字略語の正しい使い方

2009年10月19日 11時00分更新

文● 三浦優子

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作りすぎ、販売ロスを避ける

 SCM:Supply Chain Management

 主に製造業/流通業で、製品の部材調達から製造、販売に至るまでの一連の過程を結んで管理することで、販売状況に応じた適正数量の製造/販売ができる仕組みを提供するもの。製造や販売におけるロスをできるだけなくすことを目指したシステム。米国のアパレル業界で生まれた「QR」(Quick Response)、同じく米国の加工食品業界で誕生した「ECR」(Efficient Consumer Response)も同様に販売機会をなくし、顧客満足度を向上させることを目的としている。

 デルがパソコンの製造、販売においてSCMを活用し、9/11テロ事件の後もほとんどロスなく製品の製造、販売を行ったことは有名。有事の際にも大きな効果を生んでいる。

 導入目的としては販売ロスをなくすことで顧客満足度を向上させることが狙いとされているが、コストを下げるためにはSCMの存在が不可欠とされている。

 自社だけでなく、小売店、部材業者など複数の業者を巻き込む必要があることから、導入するのは大企業が多い。

 主要SCMベンダーとしては、i2テクノロジーズ・ジャパン、アリバ、日本オラクル、SAPジャパンなどがある。


専用システムはもちろんExcelも活用

 BI:Business Intelligence

 (以下表題の三文字略語とはそれるが)企業内に存在するデータを分析するために、「BIツール」と呼ばれるツールを活用する。ERP、CRM、SCMなど主要な業務システムには蓄積されたデータが多数存在しており、そのデータから必要な答えを導き出すために活用する。

 小売店の販売データなどを分析用に蓄積するデータウェアハウス、顧客データと販売データといった多次元データベースに格納して分析するオンライン分析処理などもBIのひとつと位置づけられている。

 情報システムの活用というと、専門のIT知識を持ったスタッフが実施することが多いものの、営業部門やマーケティング部門などIT部門以外のスタッフが答えを導き出すためにBIツールを活用するケースが多い。そのため高額な専門システムに加え、日常的に使われるマイクロソフトのExcelをBIツールとして活用する例も診られる。

 主要BIツールベンダーとしては、ビーコンインフォメーションテクノロジーなどがある。


会計ソフトでは対応が急務

 IFRS:International Financial Reporting Standards

 国際財務報告基準のこと。国際会計基準審議会(IASB)によって設定される会計基準で、日本の企業会計基準委員会では2011年までに採用することを決定している。多くの財務会計システムがIFRS対応となる見込みで、各ベンダーが対応を急いでいる。

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