このページの本文へ

意外に知らない「業務システムの裏側」 第4回

業務システム、三文字略語の正しい使い方

2009年10月19日 11時00分更新

文● 三浦優子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

SCMやCRMの意外な出自

 SFA:Sales Force Automation

 日本語で「営業支援システム」と呼ばれる。SFAが誕生した米国では契約社員中心の販売員を管理するためのシステムとして誕生したが、日本では社員を含む営業スタッフの動向を把握するためのシステムが紹介された。「日本の営業職は、勘と度胸」と言われることが多かった業務スタイルを、属人性の少ない、戦略的なものとすることを目的として導入された。

 導入後の営業職の負担が大きくなることから、携帯電話などモバイル機器を使って営業スタッフの作業を軽減するものや、情報共有システムを使ったもの、CRMと呼ばれる顧客管理システムと合体させた顧客をどの程度フォローしているのかを主眼としたシステムなど、内容は時代に合わせて大きく変わっている。

 SaaS化も進んでおり、主要SFAベンダーの製品には、セールスフォース・ドットコム「Salesforce.com」、サイボウズ「ドットセールス」などがある。

 CRM:Customer Relationship Management

 日本語では「顧客支援システム」。海外製品が日本に上陸した当初は、コールセンターを運営する企業や、テレセールスを行っている企業などの活動を支援するシステムと紹介されることが多かった。同じ顧客がコールセンターに電話してきた際に、電話を受けるスタッフが異なるため電話をした理由を毎回説明しなければならないなど顧客満足度が低くなる問題点に着目し、システムで顧客を管理する。

 例えば、電話をかけてきた顧客の略歴、以前電話をしてきたのが何時、どのような理由で、どういった対応を行ったのかといった情報を記録し、適切な顧客対応をすることなどが当初の目的だった。

 CRMが日本に導入され始めた時期と、電話をかけてきた相手の電話番号を表示するナンバーディスプレイが同時期に実施されたため、電話番号と顧客情報を結びつけ、電話に出る前に顧客情報をシステムで表示するものも登場。タクシー会社、テイクアウト飲食店などがCRMを導入するケースも増えたが、個人情報保護法の実施により、システムで略歴を登録できるのは情報活用を了承した顧客の情報のみとするなどセキュリティ対策も必要となった。

 主要CRMベンダーの製品としては、日本オラクルの「Oracle CRM」、セールスフォース・ドットコムの「Salesforce.com」、マイクロソフトの「Dynamics CRM」など。

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ