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幅広いユーザーに対応!名前負けしない本命サービスへ

7年目のプラン変更で最強となった「ホットスポット」

2009年10月19日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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既報の通り、10月1日にNTTコミュニケーションズは公衆無線LANサービス「ホットスポット」の料金プランを一新した。かねてから熱心なホットスポットファンを自称する担当が、さっそく新プランの詳細とサービスの今後についてNTTコミュニケーションズの担当に聞いてきた。

増設を続けてきたメニューを整理

NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスネットワークサービス事業部 サービス開発部 主査 古澤 祐治氏(左)、伊勢田 正子氏(右)

 まず、今回の新プランを説明する前に、ホットスポットのエリアとプランについておさらいしておこう。

 NTTコミュニケーションズのホットスポットでは、地下鉄の駅、カフェ、ホテル、空港などを含む全国4000以上のアクセスポイントを提供している。このアクセスポイントを月額1680円(以下、料金はすべて税込)で利用できるのが、主力サービスの「月額定額サービス」だ。そのほか1日だけ使える「1DAY PASSPORT」やオプションの海外ローミングが提供され、最近では3G対応のモバイルカードと組み合わせた「ホットスポット・ビジネス3G」というプランも用意されている。

 さて、当初はNTTコミュニケーションズ自身のエリアだけだったが、その後ソフトバンクテレコムとの提携により、BBモバイルポイントの4000カ所が追加された。これにより、国内ローミング料を支払うことで、マクドナルドとJRの駅を含む全国4000以上のアクセスポイントを利用できるようになった。さらに2009年3月には東海道新幹線N700系の車内と全17駅のコンコース待合室などのエリアが追加された。以下が現在のホットスポットのエリア区分である。

ホットスポットの4つのエリア区分(NTTコミュニケーションズの資料より)

 今回のプラン一新では、まず月額399円の「コース1」が追加され、BBモバイルポイントの4000カ所のアクセスポイントが使えるようになった。このコース1の新設には、iPod touchやNetbookなどを所有するカジュアルユーザーの利用拡大が背景にある

 そして、既存のメニューは月額819円で東海道新幹線で利用できる「コース2」、すべてのエリアが定額で利用できる「コース3」に整理された。これにはプランの整理と既存ユーザーの満足度向上というテーマがある。

 BBモバイルポイントとの国内ローミングの開始で、利用するエリアが拡がり、請求が一本化するようになったのは望ましいことだ。しかし、「オプション料金がわかりにくく、ユーザーから見るとちょっと複雑なプランになっていました」(NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスネットワークサービス事業部 サービス開発部 主査 伊勢田 正子氏)といった課題もあった。ユーザーに合わせてプランを加えていった結果、メニューがどんどん複雑になっていくというのは、昨今の通信サービスであればよくある事態だ。

 また、価格面でも「国内ローミングは1つのIDで2つのサービスを使っていただくというもので、法人ユーザーやハイエンドの個人ユーザー様を中心に高い人気を得ていました。しかし、今までは日額315円か、月額819円のローミングオプションをお支払いいただいていました」(NTTコミュニケーションズ株式会社 ビジネスネットワークサービス事業部 サービス開発部 主査 古澤 祐治氏)とのことで、オプションまで含めて月額2499円というのは正直割高感があった。

 こうした問題を解消するため、月額定額サービスのローミングオプションを無料化したのが今回発表した「コース3」である。従来のユーザーからするとオプション料金を払わずとも、全国8000箇所のアクセスポイントを利用できるようになる。「もともとコース3では、定額で使えるアクセスポイントを倍増してしまおうというのが、最初のもくろみです。地下鉄、空港、カフェに加えて、マクドナルドでも利用できる全部入りですので、ヘビーユーザーには響くと思います」(古澤氏)とのこと。非常にお得感が高くなったといえる。「自分が定額で使えるエリアが決まっていて、それ以外を使う場合にエリアプラス日額オプションをお支払いいただくという形です」(伊勢田氏)ということで、プランもシンプルになった。

月額399円のコース1追加に目を奪われるが、月額定額サービスのオプション廃止も大きい(NTTコミュニケーションズの資料より)

 プラン改正とともにWebサイトも一新。「ここまで大きいニュースは、ソフトバンクBBとの提携以来かもしれません」(古澤氏)とのことで、ユーザー層の拡大に期待を寄せる。

ワイヤレスモバイルの動向に左右されないサービスの継続性

 また、契約者の半分以上が法人とのことで、ビジネスマンや法人ユーザーをきちんと念頭に置いているのもホットスポットの大きな特徴だ。NTTドコモの3G網を用いたホットスポット・ビジネス3Gや東海道新幹線など法人向けのサービスをいち早く投入し、ユーザー企業の社屋内にアクセスポイントを設置するといったサービスもある。

東京メトロの駅では一通りホットスポットが利用でき、非常に便利

 正式な規格となったIEEE802.11nへの対応や、まだまだ強いとはいえない首都圏以外のエリア確保など、今後のサービスの課題はいくつかあるが、現在はとにかく数多くの無線LANデバイスをサポートすることに重点を置いているという。確かに近年Wi-Fiを搭載するデバイスの種類は多岐にわたっており、きちんとサポートされなければ、ユーザーは不便を来すことになる。

 ホットスポットも2002年5月サービス開始からすでに7年が経過したが、ワイヤレスモバイルを巡る動向は大きく変化している。ご存じの通り、NTT系の公衆無線LAN事業はNTTコミュニケーションズに統合され、ソフトバンクBBは卸売りに特化している。そもそも公衆無線LANサービスから撤退したところも多い。HSPAをベースとしたケータイのデータ通信も徐々に勢力を伸ばしつつあり、今年はワイヤレスブロードバンドの本命であるWiMAXのサービスもスタートしている。

 こうした中、NTTコミュニケーションズは着実にホットスポットを使えるサービスとして育ててきた。エリアの狭さという無線LANの最大の弱点は、自前でのエリア拡大に加え、他の事業者との積極的なローミングで解消してきた。古澤氏は、最近のWiMAXや3Gの通信事業になぞらえて「常々自分たちをWVNO(Wireless Virtual Network Operator)だと称しているんです」と話すが、メンツにこだわらないこうした現実的な姿勢は、ユーザーに大きな利便性を提供している。そして、その利用価値はまさに「ホットスポット」という名前を冠するにふさわしい。

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