10月31日にいよいよウォークマン「NW-A840」シリーズ(関連記事)が発売される。音質にこだわった設計となっており、ソニーのウォークマンへのこだわりが感じられる逸品だ。一方、現行機で評価が高いのはウォークマン最上位機種である「NW-X1000」シリーズ(関連記事)である。両者はどれほど違うのだろうか? そしてどっちを買えばいいのだろうか?
実は音質的にはほぼ一緒!?
両機種共通の特徴となっているのが、フルデジタルアンプである「S-Master」を搭載していること。D/A変換を行なわずに増幅処理を行なうことで、アナログ特有のひずみを解消し、クリアな音質を実現している。
実際に試聴して感じるのは、解像感の高さである。個々の音が明確に分離しているため、それぞれの楽器をしっかりと認識できる。定位感と音の広がりも十分で、個々の楽器の位置をしっかり認識できる。
デジタルノイズキャンセリングを搭載していることも、両機種の共通の特徴だ。ソニーによると、従来のアナログでは約75%のノイズカットだったのに対し、デジタルでは約98%と大幅に効果を高められたとしている。
ポータブルオーディオプレーヤーを使って音楽を聴く場所の1つとして電車内が挙げられるが、走行音などさまざまなノイズがつねに鳴っているため、つい音量を上げたくなってしまう。
しかしデジタルノイズキャンセリングを有効にすれば、こうしたノイズの多くを消し去ってくれる。踏切の警報音など実際にはかなり大きな音でも、遠くの方で鳴っている程度にしか感じなくなる。視覚としては近くで鳴っているはずと認識しているのに、実際には遠くから聞こえてくるように感じる、あるいはまったく聞こえないというのはかなり不思議な感覚だ。
音質への影響も少なく、場所を問わずに音楽に集中できる環境を作り出してくれる。電車などノイズの多い場所ではついつい音量を上げたくなってしまうが、NW-X1000やNW-A840シリーズであれば、デジタルノイズキャンセリングを有効にしていれば、それほど音量を上げる必要もない。1度これに慣れると、ノイズキャンセリングのないポータブルオーディオプレーヤーに戻るのは難しいと思うほど、その効果は抜群だ。
なお、NW-X1000シリーズとNW-A840シリーズでは、付属するヘッドフォンが異なる。いずれもユニット口径は13.5mmだが、NW-X1000シリーズが「MDR-EX90SL」と同様のユニットが横置きとなっているのに対し、NW-X840シリーズのヘッドフォンは縦方向に配置してイヤーピースを耳の奥まで差し込みやすくしたバーティカル・イン・ザ・イヤー方式である。
音の傾向は両機種で大きな差は感じなかったが、音の抜けはNW-X1000シリーズの方がよい。ただ音楽によっては、キレがよすぎて冷たい印象を受けることもある。このあたりは好みもあるので、ぜひ店頭で試聴してみてほしい。
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