PhysX SLIはどのくらい有効なのか
続いて、PhysX SLIによる効果を見てみよう。
CPUにCore i5-750を使用し、ビデオカードはGeForce GTX 275を基準に、以下の組合せでテストを行なった。
・GTX 275シングルカード
・GTX 275×2によるSLI
・GTX 275+GTX 275によるPhysX SLI
・GTX 275+9800 GTによるPhysX SLI
早速ベンチマーク結果を見ていこう。
BATMAN Arkham Asylum
シングルカードに対し、SLIは順当な伸びを見せているが、さらにGTX 275によるPhysX SLIでは大きくスコアを伸ばしている。また、9800 GTによるPhysX SLIは、通常のSLI並のパフォーマンスを発揮した。PhysX SLI対応タイトルなら、GTX 275 2枚用意しなくとも、9800 GTを追加するだけで同等のパフォーマンスが得られるというわけだ。
Darkest of Days
続いて、Darkest of Daysを見てみよう。SLIにすることで、シングルカードに対して一定のパフォーマンスアップを果たしているが、PhysX SLIはそれ以上のパフォーマンスを発揮した。ゲーム側が、SLIにチューニングしているか、それともPhysXにチューニングしているかで、大きくパフォーマンスが変わる好例と言えるだろう。
PhysX SLIを見据えたPCを構築するには
シングルカードに対し、SLIはどんなタイトルでも一定の伸びを見せるが、PhysXタイトルに対しては、SLIを解除し、PhysX SLI構成にした方がパフォーマンスが向上する。すでにSLIを構築しているなら、ゲームによってはSLIを解除して、PhysX SLI構成にすることでパフォーマンスアップが狙える。そして、新たにPCを組む場合、現在使用しているGeForce 9800 GT以上を持っているなら、より上位のGPUとの組合せでPhysX SLIをブーストすることができるだろう。
しかし、現実問題としてPhysXに対応するゲームは、まだまだ少ない。今後はPhysX効果を簡単に加えられる“APEX”機能の実装によって、PhysX対応ゲームが勢いを増して登場することも考えられるが、現状では、最初から同じカードによるSLIを構築し、前述したようにゲームタイトルによってSLIとPhysX SLIを切り替えて使用するというのが最良の方法だ。新たにPCを組み立てるなら、そういった点も考慮して選びたい。
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