レコーダーとしての素性ではやや見劣りするも
その独自の魅力をこれからも進化させてほしい
家電レコーダーの利便性において、常に大きな壁となっていたHDD容量を“外付けHDDに対応する”ことで打ち破ってくれた新VARDIA。BDレコーダーを含む他社製品に無い、大きな魅力を持ち込んでくれた(他社も追随してくれると楽しそう)。
VARDIAシリーズの今後の展開も楽しみ、というかストレートに言っちゃうと「BDドライブ搭載機を出してください。お願いします」なのだが、同時に現状のVARDIAシリーズにBDドライブが載っただけでは正直厳しいなあと思う部分も存在する。そう感じたポイントを挙げておこう。
1. 高解像度化されていないインターフェイス
VARDIAシリーズのユーザーインターフェイスはデジタルチューナー対応機になってからは大きな変更も無く、長年のユーザーにとってはすっかりなじんだ存在となっているだろうが、さすがに少々古くささも感じる。
特に番組表の情報量は厳しい気がする。というわけで、普段はBD DIGAの番組表で目的の番組を探した上で、VARDIAにも録画予約を追加している(一方DIGAは広告画面があって少々ウザイのだが……)。
2. チューナーが2系統に分かれているのは面倒
VARDIAシリーズは伝統的に内蔵の2系統のチューナーをTS1、TS2と明示的に分けている。録画予約する際にも、どちらを使うかを選ぶ必要がある。
以前はこの方が明白でいいと思っていたのだが、そのような区別が無いBD DIGAを使うようになってからは考えが変わった。BD DIGAではチューナーの区別は無く、AVC録画の予約が重なった場合のみ警告がなされる。
VARDIAが今でも区別するのは、録画番組の本編とCMの間に自動的にチャプター点を打つ「オートCMチャプター機能」がTS1でしか利かないなどチューナー間で機能差があるためと思われる。しかし、BD DIGAに続いてソニーのBDレコも、今秋登場モデルからW録時もオートCMチャプターが利くようになったので……。また、そのオートCMチャプターも精度は正直低めだ。
3. そもそもBDが載ってない
まあ今更な話ではあるのだが……。純粋な容量やメディアの価格を考えると、ディスクにデジタル放送のHD映像を保存するならばBD以外の選択肢は無いと思う。また、DVDメディアにHD映像を保存するHD Rec機能も実質的にVARDIAシリーズ以外で互換性が無いのが現状だ。
もっとも上に書いたようなことは、ユーザー心理をよく理解している東芝の開発陣であれば百も承知だと思われる。
それに外付けHDD対応を始め、編集機能や細かな使い勝手などで、VARDIAの魅力はまだまだタップリである。だからこそ、BDレコーダーがリリースされるのかどうかはともかくとして、VARDIAシリーズの進化が止められないことを切に祈るばかりだ。
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