Windows 7にはDTCP-IP機能はなし
Windows 7自体は、著作権保護コンテンツの転送規格「DTCP-IP」や、Blu-rayディスク(以下BD)への番組書き出し機能に対応していない。そのため、アイ・オー・データなどのサードパーティーでは、独自にDTCP-IP対応ソフトや地デジ番組のBD書き出し機能を用意している。
DTCP-IPは、著作権保護が施された地デジ番組を、LAN経由でテレビやメディアプレーヤーに配信、表示する基盤となる技術だ。DTCP-IPとDLNA対応のメディアプレーヤーがあれば、個室のパソコンで録画した地デジの番組を、リビングの大画面テレビでも楽しめるようになる。
また、チューナーカードやmAgicTVがダビング10に対応したことで、録画はパソコンで行ない、番組が溜まったらDTCP-IPとDLNA対応のNASにコピーすることもできる。これなら、消費電力の小さなNASは24時間365日電源を入れておき、好きなときにリビングのテレビやベッドルームのテレビで、録画番組を楽しめるというわけだ。
お詫びと訂正:DLNAサーバーソフトについての説明に誤りがありました。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2009年10月15日)
アイ・オー・データのmAgicTVは、パソコン1台に複数のチューナーカードを接続できるため、地デジやBS/CSデジタルなどで複数のチューナーカードを使い分けて、パソコンをテレビサーバー化することも可能だ。BDレコーダーと違い、パソコンなら簡単にHDDを増設できる。
地デジをパソコンで満喫するには、
やはりDTCP-IP対応が必要だ
さて、実際にWindows 7上でGV-MVP/HX2を試してみると、DTCP-IPは非常に便利だと感じる。パソコンで録画した地デジの番組を、ネットワークで接続したメディアプレーヤー経由でフルHDのテレビでも見られる。また東芝のレグザなどDTCP-IPをサポートしたテレビなら、メディアプレーヤー抜きで直接再生可能だ。
DTCP-IPがサポートされるまでは、パソコンで録画した地デジの番組は、そのパソコンでしか再生できなかった。だがDTCP-IP対応ソフトとDTCP-IP対応テレビやメディアプレーヤーを使えば、どの部屋からでも録画した地デジ番組が見られる。アナログ放送並みとはいかないが、同じような使い勝手が実現できる。
Windows 7が「地デジ対応」をうたうならば、DTCP-IP機能をOS標準で対応すべきだったろう。さらに、GPUによる汎用演算API「DirectCompute」を使ったトランスコードと携帯メディアプレーヤーへの書き出しも可能になれば、パソコンでテレビを録る環境もより広がっていくだろう。今後の改良に期待したい。
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