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行っとけ! Ubuntu道場! 第6回

~師範! 次バージョン「コアラ」について教えてください!~

2009年10月15日 16時00分更新

文● hito(Ubuntu Japanese Team) イラスト●瀬尾浩史

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Kubuntuの大復活? 地味だけど大事な改良点

ミズノ:あと、9.10ではKubuntu(デスクトップ環境にGNOMEではなくKDEを採用したUbuntuの公式派生バージョン)が大幅に改善されました。Ubuntu Magazine Japanでは「苦bun痛」なんて言われてましたが、もうそんな風には呼ばせませんよ! 

編集S:その項目書いたのはミズノさんだったよーな。

hito:あまりにあまりだったので、私がちょっとだけフォローを追記したよーな。

ミズノ:ぎくっ。

やまね:愛ゆえに、か。

小林:どんな風に改善されたんですか?

ミズノ:まず、KubuntuにもNetbook Remixが出てきます。その名もKubuntu Netbook Remix。

天気やカレンダーなどを表示する「NEWSPAPER」とアプリケーションのランチャ画面「Applications」、2つのレイヤーを切り替えて使うのが特徴

hito:ふつうのKubuntuとは大幅に違うデザインで、ちゃんと完成してくれればネットブック向けには超オススメになりそうです。

あわしろいくや:まだ未完成ですよねぇ……。

小林:普通の人にはオススメしにくいですか?

あわしろいくや:厳しいと思います。

瀬尾浩史:ほかにKubuntuの進化点はありまペンか?

ミズノ:KDE4系列が、やっと実用になりつつあるところ?

あわしろいくや:いろいろ直って、ちゃんと使えるようになりました。日本語入力周りに謎な挙動があったり、突然メニュー出てこなくなったりしますけどね!

編集S:ふむ。Kubuntu周辺はふつーの人には関係ないのでおいといて、コアラ全般の話に戻すよーに。

hito:少し話が戻りますが、起動画面とログイン画面に統一性が出たのは大きいかなぁと思ってるんですが、どうでしょ。……まぁ、10月半ば時点でまだ調整が完成してないのは置いといて。

あわしろいくや:Look and Feelは大切ですね。

やまね:Debianは見た目がアレですいません。

村田:よくわからない黒画面が出てこないブート画面重要ですよね。

小林:普通の人にとっては重要ですね。

hito:ほかに言いたいことはありますか?

やまね:聞きたいことはあるが言いたいことがない :-)

hito:聞いてくれっ!(死

やまね:6ヵ月間で一番ドラスティックな変化はどこなんすか。色?

村田:Hundred Paper Cutsですかね?

hito:地味ですけど、とてつもなく重要ですね。細かいバグをひたすら直して、使い勝手とか見た目とかをブラッシュアップしました。ドラスティックかといえばNoですけど、もっとも重要なのは間違いないです。

ミズノ:Hundredといいつつ100じゃないっぽい件。

hito:言うな!

あわしろいくや:100個のはずが、明らかに100より多いんですよねぇ。

ミズノ:なんか、100個+αの「α」の部分に20個ぐらいあるような。

編集S:えーと。具体例、どぞ。

hito:3Dデスクトップ使ってる環境で、「ウィンドウを閉じる」と、これまでウィンドウが「前に倒れてくる」タイプのアニメーションでしたよね。

瀬尾浩史:ふむふむ。

hito:ところがこれ、意外と重いんです。ネットブックだとかくかくする程度には。

ミズノ:で、9.10からは単にフェードアウトするアニメーションに変わった、と。こんなレベルのチューニングが、約100個。

編集S:細かい上にメンドくさそうですが、誰がやったんです?

hito:Canonicalの中の人たち。

小林:我々のところからはバグを修正している様子しか見えませんが、大変そうでした……。まだ今も直していますね。

やまね:うーん、企業に雇用された人がいるから出来ることだなー。ボランティアじゃ出来なさそうだ。

hito:仕事のひとつひとつは「開発者にとってはつまらない」ものなので、モチベーションを保つの大変そうですからね……。でも、かなりの部分はGNOMEとかの上流まで遡って直してるので、Debianにも改善が波及しそうです。

やまね:これ、Windowsとかでもやってるよねー。

hito:レイモンド・チェン(マイクロソフト勤務の、Windowsの互換性関連のエンジニア)のチームは偉大です……。

村田:あと触れておくべきは、デフォルトのファイルシステムがext4になることでしょうか。

小林:重要ですね。

ミズノ:9.04から、自分で選べばext4にできましたけどね。

あわしろいくや:ext3の「壁」がなくなるのは大きいですな。

編集S:「壁」?

あわしろいくや:ext3は32bit環境だと8TB、64bit環境だと16TBまでしか扱えないんですな。

hito:しかもこの数字は特殊なオプションを与えた環境が前提で、何も考えずに使えるのはさらにその半分です。つまり4TBが上限。

瀬尾浩史:それだと、アキバで売ってるような2TB HDDをRAID0で使うと越えまペンか?

hito:あっさり超えます。

やまね:今だと1台1TBとか2TBあたりまえだからなー。

ミズノ:まぁそんな大容量が必要なのは、キャプチャとかしている人だけだとは思いますが……。

あわしろいくや:ぎく。

小林:ext4だと、そうした壁はほとんど気にしなくていいですね。少なくともしばらくは。

hito:あとはinodeの制約を気にしなくてもいい、ってメリットもありますが、これは難しいので……。

編集S:ご意見・リクエストをお待ちしております(ぺこり)。


(次ページへ続く)

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