レンタルサーバー屋の未来は脱レンサバ主義
実際に地域で何かやろうとすると、「自分の商売に専念したいのにサーバーの面倒を見る人がいないとか、アイデアはあっても営業がいないとかの問題に気づく」という。ファーストサーバの出番はそのときだ。
磯部氏によると、ファーストサーバの強みは、設備とサービスの両方に関わっていることだという。ファーストサーバはソフトバンク系のレンタルサーバー事業者で、磯部氏自身が取締役を勤める同じソフトバンク系のデータセンター事業者のIDCフロンティアと密接な関係にある。「ファーストサーバというのは、IDCフロンティアのデータセンターという設備の上でも、レンタルサーバーというサービスを提供している。これが今後の強み」というのだ。
「俺は脱レンサバ主義(脱鯖主義)といっているんだ。制作会社を支援するとか、データベースを活用しましょうみたいなITの話はもちろん、貸借対照表とか損益計算書とかの財務諸表を手間暇かけて作らなくていいですよ、と。そういう地域の中小企業のニーズに根ざしたレンサバの枠にとらわれないソフトウェアをファーストサーバがサービスとして提供すればいいと思っている」というわけで、レンタルサーバー以外のサービスまで提供するのがこれからの狙いだそうだ。
「休耕地のDB化とか、地域に活力をもたらすITの使い道はいろいろある。国に頼っちゃいけないというのは、どんなにいいコンセプトで政策を作っても、地域と結びついていないと修正できない、地域の活性化というディテールまで踏み込めないということ。他人のためにやるんじゃなくて、地域に根ざしたニーズに基づいてやるから、いいフィードバックが生まれるはず」という戦略だ。
「地域のコミュニティで商品や人材が取引される場を作って、そこで必要とされるサービスを提供する。それがこれからの我々ファーストサーバの役割になる」という。
熱血社長が描く「日本“元気”印増産プロジェクト」の構想は壮大だ。