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最新パーツ性能チェック 第85回

1万円台で買えるDirectX 11対応カード「Radeon HD 5770/5750」はお買い得か?

2009年10月13日 18時01分更新

文● 石井 英男

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アイドル時の消費電力が大きく削減

 次に、ワットチェッカーを利用して、システム全体の消費電力を計測した。OS起動後10分放置した状態を「アイドル時」、ラストレムナントベンチマーク実行中を「高負荷時」とし、アイドル時の消費電力と高負荷時のピーク消費電力を計測した。  結果はグラフ12に示したとおりで、Radeon HD 5770/5750は、アイドル時の消費電力が非常に低い。旧シリーズのRadeon HD 4770に比べて、Radeon HD 5770では17W、Radeon HD 5750では21Wもアイドル時の消費電力が削減されている。GeForce GTS 250のアイドル時の消費電力は96Wとかなり高めで、Radeon HD 5770との差は30Wにもなる。また、高負荷時の消費電力も、Radeon HD 5770は212W、Radeon HD 5750は183Wと、優秀な結果である。ゲーム以外のアプリを利用している場合は、アイドル時に近い消費電力に下がることが多いので、電気代を節約でき、省エネルギーにも大きく貢献する。Radeon HD 5770/5750の消費電力あたりのパフォーマンスは、非常に高いといえるだろう。

【グラフ12】消費電力(単位:W)←better

 Radeon HD 5770/5750が、アイドル時の消費電力を大きく削減できた理由は、コアクロック/メモリクロックの可変範囲が非常に広いためだ。Radeon HD 5870/5850と同じく、省電力機能の「PowerPlay」機能が強化されており、コアクロックが最低157MHz、メモリクロックも300MHz(1.2GHz相当)まで下がるようになっている。

Radeon HD 5770のOverDrive設定画面。現在のGPUクロックが157MHz、メモリクロックが300MHzまで落ちていることに注目

Radeon HD 5750のOverDrive設定画面。こちらも、Radeon HD 5770と同じく、GPUクロックが157MHz、メモリクロックが300MHzまで落ちている

なんとGPU温度も低い!

 最後に、ハードウェアモニタリングソフトの「HWMonitor Pro」を利用して、GPU温度を計測した。アイドル時と高負荷時の条件は、消費電力計測時と同じだ。結果はグラフ13に示したとおりだ。計測時の室温は約24℃である。Radeon HD 5770/5750はアイドル時、高負荷時ともかなり低くなっている。高負荷時でも70℃を超えないというのは、優秀な結果であり、長時間負荷をかけても安心して使えるだろう。

【グラフ13】GPU温度(単位:℃)←better

DirectX 11環境をいち早く実現したい人にもオススメ

 Radeon HD 5770/5750は、上位モデルのRadeon HD 5870/5850の演算/描画ユニットを半分に削った製品だが、その性能はかなり高く、テストによっては旧シリーズのハイエンドモデルに迫るパフォーマンスを実現している。もちろん、実売1万円台後半から2万円台後半という価格帯では、文句なしに最高性能を誇る。最新ゲームを快適にプレイするのに十分な性能を実現しており、コストパフォーマンスは非常に高い。現在、DirectX 9世代のビデオカードを使っていて、その性能に不満が出てきたという人の買い換え用途はもちろん、いち早くDirectX 11環境を手に入れたいという人にもオススメだ。また、旧シリーズと比べて、消費電力も大きく削減されているので、電気代を節約できることも嬉しい。ライバルのNVIDIAからDirectX 11対応GPUが登場するのは、来年になる可能性が高いので、しばらくはRadeon HD 5000シリーズの天下が続くことになるだろう。

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