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ネットにつながるフィギュアを実現 FeliCa Liteの秘密

2009年10月13日 16時03分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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ICタグ付きフィギュアを実現した
FeliCa Liteとは何か?

 ウェブサービスに連携できるフィギュアを実現した技術FeliCa Lite(RC-S965)とは、おサイフケータイにも使われているFeliCa技術の派生製品として、登場したばかりのものだ。製品への応用事例は、今回のねんどろいどが初となる。

シール型のFeliCa Liteのサンプル

シール型のFeliCa Liteのサンプル。名刺大のカードに貼れる程度のサイズだ

シールをめくってみると

シールをめくってみると、フィルム状のアンテナとICチップ部らしきものがわかる

 既存のFeliCaとの大きな違いは、用途を絞って機能を簡易化したことによる低コスト化と、小型省電力化されたICチップにある。FeliCa Liteの技術的側面を説明する、ソニー FeliCaデバイス事業部の鳥居三朗氏によれば、例えば従来のFeliCaが強固なセキュリティー確保のために、ICチップとサーバー側で相互に認証し合っていたのに対して、FeliCa Liteはサーバーからの片方向認証のみに限定することで、ICチップ側の小型化を実現したという。

 ねんどろいどでは円形の台座の中にICチップとアンテナが組み込まれているが、FeliCa Liteではそのほかにもカード型や、シール状のICチップも実現可能となったという。ICチップ内のストレージとも言えるユーザーメモリー領域は、1ブロック16byteが14ブロック分の224byte。既存のFeliCaが154ブロック以上で2~9k程度のメモリーを持っていたのに比べると、かなり簡略化されている。

 ユーザーメモリー領域は1ブロックごとに、リードオンリーとリード/ライト可を設定できる。またユーザーメモリーとは別に、減算用のレジスター領域(4byte×2)も持たせられる。EdyやSuicaのような高度なセキュリティーを必要とする電子マネーなどには使えないが、例えば発行時にポイントをチャージしておいて、ユーザーが使う際にICチップ内のポイントを減らしていくポイントカード的な使い方も可能だ。

 FeliCa Liteを実際に使う際に重要なのが、先述の「FeliCaランチャー」というアプリケーションだ。既存のFeliCaリーダー/ライター内蔵パソコンには、「かざそうFeliCa」というアプリケーションがプレインストールされていて、これを起点としてFeliCaを使う各アプリケーションを呼び出すといった機能が提供されていた。

FeliCaランチャーの画面イメージ

FeliCaランチャーの画面イメージ。ここから任意のアプリケーションを選べるほか、自動で対応するウェブサイトを表示させることもできる

 一方今回のねんどろいどの場合、起点となるのはFeliCaランチャーだ。このアプリケーションはFeliCaランチャーのウェブサイトで、無料で配布されている(2009年秋モデルのVAIOには、プレインストールされている機種もあり)。ねんどろいどをFeliCaリーダーにかざすと、ICチップ内にあるIDデータを読み取って、FeliCaランチャーが適切なアプリケーションを起動して、設定されたウェブサイト(今回はアニメNewtypeチャンネル)へ誘導する、という動作を行なう。

 かざしたFeliCaに合わせてどのような振る舞いをするかは、FeliCaランチャー側(とバックにあるサーバー)で決められる。そのため、カード側に複雑な機能や情報を持たせる必要がないわけだ。

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