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今こそ買い時!? 最新ビジネスプロジェクター 第1回

仕事に使えるプロジェクター選び

2009年10月13日 09時00分更新

文● 行正和義

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(3)表示解像度──WXGAクラスが今後主流に

 解像度は、プロジェクターの表示素子の進化に加え、市場の需要によって決まる。

 ホームシアターではBlu-rayなどのHDコンテンツを高精細で楽しみたいという需要から、1920×1080ドットのフルハイビジョン画像をリアルに(ドットバイドット)表示できる製品が主流になりつつある。ビジネスユースでもPC画面の高解像度化によって、表示解像度は向上している。

 かつてはVGAやXGAなど4:3のアスペクト比が主流だったが、ノートPCの液晶ディスプレーと同様にワイドアスペクトが増えている。現在の市場ではWXGA(1280×800ドット)以上が上位クラス、それより下のSVGA(800×600ドット)が普及クラスと分類できる。ポケットプロジェクターなどではVGA(640×480ドット)程度の解像度の機種も多い。

 上記の数値は表示素子の解像度であり、入力信号の解像度とは異なる。プロジェクターの多くは表示素子よりも高い解像度(もしくは低い解像度)の信号でもコンパートして表示できるようになっている。

 とはいえ、表示画素の解像度より高い解像度の信号は、Excelの表などで細かな文字があると潰れてしまう場合がある。文字がつぶれて困る場合は、入力信号の解像度を下げる、表示領域を一時的に拡大するなど、使い方の工夫が必要だ。



(4)インターフェース──HDMIやUSBの有無に注目

 解像度と密接に関係するのがインターフェースだ。ビジネス用プロジェクターはこれまでアナログRGB(ミニD-sun15ピン端子)やビデオ入力端子(コンポジット端子)で接続するのが主流だった。最近ではノートPCでもHDMI端子が普及してきたため、プロジェクターにも搭載が始まっている(ただし、現状はホームシアター用途のAVプロジェクターが主流だ)。

ノートPCもHDMI端子搭載

ノートPCにもHDMI端子搭載モデルが増えてきた。写真は富士通の「FMV-BIBLO S/D55N」

 ビジネスプロジェクターがHDMI端子を搭載するメリットとしては、シンプルに接続できる点が挙げられるだろう。アナログRGBのディスプレーケーブルに比べて、HDMI端子は細く取り回しが容易だ。

エプソンの最新ビジネスプロジェクター「EB-W8」の背面

エプソンの最新ビジネスプロジェクター「EB-W8」の背面には、USBディスプレー、USB端子(現在はUSBメモリーを接続)、HDMI端子、アナログRGB端子が並ぶ

 また、USBディスプレー機能を搭載する製品も増えてきた。アナログRGB端子を持たないネットブックでも手軽に接続できるためだ。USBディスプレー機能はHDMI以上にビジネスプロジェクターでは今後必須の機能になっていくだろう。

 さらに、有線LANや無線LAN、BluetoothなどでPCと接続可能な製品も増えてきた。これはPC側でプロジェクターの操作も行なえるというメリットがある。Windows Vistaでは「ネットワーク プロジェクター」機能が標準搭載されたことが大きい(Windows 7でも利用可能)。LAN環境が整備された会議室などではネットワーク上のどのPCからでもプレゼンテーションを行なえるので、従来のようにいちいちプレゼンテーターが交代するたびにケーブルをつなぎ直す、といった時間が不要になる。



(5)PCを必要としないプロジェクターも登場

 PCそのものを必要としないプロジェクターも登場している。画像やPowerPointなどのデータをPCからUSB接続ないしはメモリーカードなどで転送し、内蔵メモリやメモリーカードに蓄えておき、そのデータを直接投影表示できる製品だ。

 プレゼンテーションの際にノートPCが必要ないため、出先でのプレゼンテーションでは特に便利だ(営業部門など)。

 また、最近では携帯電話からビデオ出力してプロジェクターで表示したり、携帯電話とBluetooth接続してデータを表示できる製品・ソリューションも見かけるようになった。

 現在のことろ、ビジネス向けプロジェクター製品内では、USB接続やメモリ画像表示機能を搭載したものは上級機の一部、もしくはローエンドのポケットプロジェクターの両極端に分かれている。普及モデルの多くはPC接続を前提に作られているためだろうが、ノンPCプレゼンテーションの利便性を考えれば今後は増えてくると思われる。

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