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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第58回

200年の歴史をネットに残す「休日のタングラム」管理人の意欲

2009年10月12日 12時00分更新

文● 古田雄介

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歴史と作りやすさがタングラムの魅力

―― まずはタングラムの魅力について教えてください。

和々草 もともとシルエットパズルが好きなんですけど、中でもタングラムは歴史があるということが大きいですね。わずか7ピースしかありませんが、作れる形は数学的にいえば無限です。そのなかでも意味のありそうな形には、古くから名前がついていたりするんですよ。感じとしては「死神」「望郷する人」「二人の中国人」みたいに。

 昔の人が実際に板を動かして形を作って、その形に名前にあるようなモノを見た。そういう事実があるので、普通になんとなくピースを動かしたときに、そういう昔からの形に行きつくと、「昔はこの形があれに見えたんだなー」と歴史とつながるというか(笑)。単にパズルが楽しいだけでなく、そういう面白みも味わえるんですよ。

和々草氏。あらゆるシルエットパズルに精通しているが、あまりにパーツが多すぎて複雑なものは、あまり好みではないという。「何か、やっている途中で修行僧のような気分になるというか(笑)。ひとつの形を作るにしても可能性が広すぎて、とりとめもなくなるんですよね」と語る

―― なるほど。確かに出来たばかりのパズルでは醸し出せない価値ですね。

IVYパズル。「休日のタングラム」では、様々なシルエットパズルの作例が掲載されており、IVYパズルの“お題”もズラリと並ぶ。すべて和々草さんが試した形を掲載している

和々草 意外とちゃんとした文献などの記録は残っていないんですけど、色々な国で伝承的な遊びとして受け継がれているのはすごいことですよね。あやとりと近いものがあると思います。

 でも、歴史が浅いシルエットパズルも好きなものはたくさんありますよ。特に好きなのは組木デザイナーの小黒三郎さんが発明した「IVY(アイビー)パズル」です。正六角形を7ピースに分割したパズルですが、とにかく物の形が作りやすいんです。やっぱり、それっぽい形が作りにくいといらいらしちゃいますし、楽しさが味わいにくくなります。ここはシルエットパズルの根底で重要な要素だと思いますね。そういう意味では、タングラムもそうですが、IVYパズルは群を抜いていると感じます。だから長く残りそうな気がしますね。

―― 基本は形を作る面白さ。そこに歴史の積み重ねができると、また別の趣きが出来るわけですね。ゼロから色々作る面白さに加えて、お題があって、その形を完成させるという楽しみが出来るとも言い換えられそうです。和々草さんレベルになると、かなり難解なお題も即座に作れるものなんですか?

和々草 そうですねー。目隠し将棋みたいな感じで、頭の中で組み立てられるというのはあります。ちょっと長くやりすぎたので、大抵のお題があっても、見ると分かってしまうんです(笑)。そこは楽しみがひとつ減ってしまったというか、失敗した部分かもしれません。

―― なかなかその域には達しないですよね(笑)。いつごろからシルエットパズルに親しんでいるんですか?

和々草 小学1年生のときですね。担任の先生がオーストラリア旅行に行ったとき、クラス用にお土産でタングラムを買ってきてくれたんですよ。そこで初めてシルエットパズルを知りました。でも、ここまで没頭するようになったのは大学を出たあとですね。ケーブルテレビに契約していた関係でインターネット環境が整っていたんです。そこで何かやりたいと考えたときにタングラムが浮かんで、サイトやソフトを作っていくうちにのめり込んでいったという感じです。

 想像力をかき立てるパズルなので、結構何時間でも没頭できるんですよね。

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