書籍化はするが、アニメ化は「定義を決める」からちょっと微妙
――参加者の方から意見や要望などは来ますか。
aroha J これまでは特別大きなものはなかったですけど、Ⅲが終わってアンケートをとったとき、(ゲームの中の)それぞれの章ごとに「何もない期間」を置いてほしいという声がすごく多かったです。参加者の皆さんも、スピードが早すぎて追い切れないからインターバルを入れてくれと。
――イラストも見たいし、ユーザー主導のストーリーなどもありますしね。
aroha J そうですね。もっと投稿を追えるような要素を入れていきたいなとは思っています。Ⅲになってそういう参加者の投稿を追うためのタグは出来ているんですけど、それでも追うには限界はあるので。
――それは凄く思います。後から全体を見返そうと思っても、どうやって見返せばいいか分からないんですよね。ストーリー別にまとまっていると便利だなと思います。
aroha J そうですね。今までは(企画者として)pixiv内だけで完結させたいって思いがあったんですけど、Ⅲからは参加者さんがまとめwikiを作っています。pixiv内だけで情報をやりとりするのは参加者の立場からしても限界かなと思っていて、pixivファンタジアを追うための外部ツールは必要かと思っています。
公式掲示板とかも考えるんですけど、pixivファンタジアって打ち合わせなしで自然に参加者が連動して動くところがあって、そういう偶然が重なっていくのが凄い面白い要素かなと思うんですね。だからなるべく話し合いが出来る場がない方がいいかな、というのもありますね。
――今度はpixivファンタジアが書籍化される※6ということですが、あれは画集になるのですか?
aroha J 画集に近いものですかね。ユーザーさんのイラストを載せつつストーリーを綴ったものになってます。
※6 書籍化: 「pixivファンタジア公式イベントビジュアルブック」(エンターブレイン)として刊行予定。エンターブレインとピクシブが運営するブログpixiv通信でも告知している(下)
――このストーリーと、このストーリーを入れると矛盾が生まれるといったことはありませんか。
aroha J pixivファンタジアではそういう、パラレル要素っていうのはむしろすごく歓迎しているんです。もっと積極的にやってもらってもいいと思っています。
――本にする場合、その中からどれを選択するか悩みますよね。「これが公式設定だ」と固まるっていう心配もあるのでは。
aroha J そうですね。本の場合は公式イベントの戦闘を中心に選んで作っています。ストーリーや設定もなるべくなら確定させたくはないという思いで、気をつけてはいます。
――それでも出版を決めたのは、どんな思いがあったんですか。
aroha J とりあえず、新しい試みかな、ということがありますね。そういうお声を頂くのも初めてだったので、まずは一度やってみようと。でも基本的には「pixiv内で企画を立てる」をメインで考えているんですけど。それ以外のことは慎重に考えていきたいですね。
――アニメ化の話は来ませんか?
aroha J そうですね……アニメの場合、確実に定義を決めちゃうじゃないですか。それは違うかなと思うんですよね。多くの方が関わっている分、何かを定義すると一部の参加者さんをないがしろにしてしまうことになるので、すごく難しいです。参加者さんが納得する範囲での商業化ならいいかなと思うんですが、なるべく良く考えて行動したいところですね。