フィルター:どのように情報をすくい取るか?
2009年10月初旬は各所でTwitter関連のイベントが林立している。ここで話題になったのは、1000人以上のフォロワーを抱えたときに、流れ続けるつぶやきの情報をどのようにして分類するか、あるいは必要な情報を取り出すかという課題である。この状況は、近未来のセカイカメラに似てくるのではないかと思われる。
つまりセカイカメラを起動すると、大量のタグが目の前の空間に現れるようになるということだ。これらのタグをどのように情報を分類するか、探すか、活用するか。これはすぐそこにある課題である。
Twitterでは、ウェブやクライアントソフトを開いた瞬間の最新のつぶやきが表示される。つまり「開いた時」という「時間によるフィルタリング」はすでに達成されている。一方でTwitterは見ていなかったタイムラインをすべてさかのぼるようには作られていないし、それをしなければいけないというルールも無い。
しかし切り捨てるのももったいないと考える人もいる。その場合は2つの方法がある。「ハッシュタグ」(「#○○」で同じ話題やイベントの発言を分類する)を検索する方法。あるいは発言している人1人のアーカイブをさかのぼるという方法だ。
これらの手法によって、Twitterが元々持っている時間によるフィルタリングに加えて、話題のフィルタリング、人によるフィルタリングを実現したのだ。
セカイカメラに実装されているフィルターには、時間によるフィルタリング、タグの種類や所有者によるフィルタリングとともに、自分がいる場所によるフィルタリングを実現している。Twitterのネイティブなフィルターが時間だとすれば、セカイカメラは場所がネイティブ、ということになる。
たとえば授業中に教室内で打ち込んだタグは、誰もいなくなった教室内にもあふれ、そこで授業が行なわれて知識が飛び交ったのだ、という様子をうかがい知ることができる。このようなフィルターのあり方は、セカイカメラやTwitterに限らず、必要な情報だけを表示させて選ぶ「検索」とは違った、情報へのアクセス手段としてこれから重要な要素を帯びてくるはずだ。
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