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最新ユーザー事例探求第4回

止まらない取引を支える万全のインフラとは?

FXプライム、BIG-IP GTMでデータセンター二重化を実現

2009年10月05日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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伊藤忠グループのFXプライムは、F5ネットワークスの「BIG-IP GTM」を導入し、2つのデータセンターでの広域の負荷分散を実現した。安定した取引を可能にするためのシステム構築の舞台裏に迫る。

眠らない外国為替市場を支える
CTC のデータセンターとBIG-IP LTM

 FXプライムが取り扱っているFXとは「Foreign Exchange:外国為替保証金取引」を意味し、2つの通貨の売買によって生じる差益を得る個人投資家向けの金融商品を指す。1998年の改正外為法により誕生し、小額の資金を元手に、24時間いつでも取引できることから人気が沸騰している。伊藤忠グループのFXプライムは2003年の設立以来、FXの取引システムを個人投資家に提供している。2005年にオンライン取引サイト『選べる外貨』を開始し、2007年からは大手ネット証券へASP提供もスタート。2005年に2000件だった口座数は、現在は30倍以上の6万口座(ASPぶんを除く)を実現した。

 増加する個人投資家が安心して取引できる環境を提供するため、FXプライムは信託保全や独自の自動ストップロスなど個人投資家の保証金を可能な限り保全する仕組みを用意。また、TRUSTeや情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を業界に先んじて取得し、高いセキュリティを実現した。そして、同社が大きな売りにしているのが、なんといっても安定度の高い強靱なシステムである。

FXプライム株式会社 情報システム部長 中林卓也氏

 外国為替取引の市場は基本的に24時間眠ることはないため、FXのシステムはきわめて高い安定度が要求される。FXプライム情報システム部長の中林卓也氏は、「ウィークデーは月曜日の朝7時から取引がはじまり、土曜日の朝まで絶え間なく続きます。年間でもクリスマスと元旦にクローズするだけです」と、FXシステムの可用性について語る。しかも、一瞬のトラブルや遅延が大きな損失・逸失利益を生む。経済指標の発表とともに注文が殺到した際に処理が遅れたりすると、ユーザーからの信頼は一気に地に落ちることになる。そのため、単に可用性が高いだけではなく、低遅延・高レスポンスの環境が必要になる。

 これに対し、FXプライムではCTC(伊藤忠テクノソリューションズ)の協力の下、24時間365日完全監視、計画的なシステム運用、冗長化したシステム構成など、安定したシステム運用を実現している。「もともと2003年のサービス開始当初は、取引量も現在ほど大きくなく自前でシステム運用を行なっていたのですが、2005年の法規制の施行を機にFXの知名度と社会的な認知度も上がり、当局からもより安定したシステム運用が求められるようになりました。そこで、当時のCRCソリューションズ(2006年にCTCと合併)に本格的にシステム運用・管理の一部をアウトソーシングすることにしました」(中林氏)。しかも、その運用は情報システムの安定運用を実現するためのガイドラインであるITIL(IT Infrastructure Library)に基づいたもの。まさに止まらないシステムが実現した。

 FXプライムがデータセンターでの本格的なシステム運用開始をきっかけに導入したのが、サーバーのレスポンスを向上させるF5ネットワークスの「BIG-IP Local Traffic Manager(以下、BIG-IP LTM)である。BIG-IP LTMはリクエストを複数のサーバーに振り分ける負荷分散のほか、高度なトラフィック制御やセキュリティ機能を持つアプリケーション配信管理装置。「F5はトップベンダーですし、(信頼をおいている)CTCからの提案だったので、特に選定に関して問題はありませんでした」と語っている。

(次ページ、「データセンターの二重化でさらなる可用性を目指す」)


 

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