変わっていくTwitter
使われ方に合わせたシステムを考え続けたい
―― buzztterを運営していて、楽しいと感じるのはどんなときですか?
設樂 うまく(システムが)はたらいているなと感じるときが時々あって、そういうときは本当に嬉しいですね。たとえば、夕焼けが綺麗とか、虹とか。たくさんの人の言葉を上手く集められてるなと。あとは肉の日とか面白いですよね。「餃子」って言葉が流行したときにみんなが食べたくなっていたりとか。
あとは実用的なところでは電車の遅延とか。Twitterを使う人が日々を暮らしているのを感じられるのがいいなあと思います。buzztterを見ている人が、そういうところに共感してもらえているということを感じたときも嬉しいですね。
―― 逆に、運営をしていて一番苦労したことを教えてください。
設樂 大きく分けて2つで、1つは負荷です。ストリームとしてどんどん来るTwitterの発言を解析して、出来るだけ速く結果を返す。それから、ユーザに検索結果を返す。これを実現するために、部屋が暑くなります。
もう1つは、buzztterがどうあるべきなのかに関わる部分です。最近、buzztterが「系」の一部になってしまっていて、どんどんフィードバックを加速させてしまう側面があると感じています。buztterがどういう出力をユーザに提供するべきなのか、あるいはどういうものは提供するべきではないのか。中でもRTをどう扱うのかが悩みどころです。
―― 個人の発言がひたすらRTで引用を繰り返され、本人の知らないところでbuzztterで盛り上がって炎上する、というやや怖いケースもありますよね。
設樂 当初はRTと言っても、つぶやかれているのだから同等に扱っていいだろうと考えていましたが、本当にそれでいいのかというのを最近よく考えます。発言そのものが良い・悪い、ということはないのですが、buzztterがバズを呼ぶという状態が健全かというと、それはどうなんだろうと。
以前、「buzztterはtwitter-erの心を映す鏡」という言葉をいただいたことがあります。この言葉にとても強く共感しています。醜いものを見たくない人もいるし、ありのままを見たい人もいるということなんだろうと。
―― buzztterを続けてきたモチベーションはどこから来ているんでしょう?
設樂 そうですね……「まだできることがある」という感覚でしょうか。もっとこうだったら良いんじゃないかと。たとえば、最後にブログにbuzztterの更新履歴を書いたのが2008年9月ですが、その後、正月休みにmobile版buzztterを作っています。
あと、言及数のグラフを1週間分に増やしています。これは見ていると色々面白くて、人が生活している感じがするんですね。たとえば「おやすみなさい」が、休みの前の日は(グラフが)低いとか、「はぴはぴはっぴー」はアニメの放送がない日が分かるとか、色々と見えてきます。
最近では、トップページに常に上位フレーズを含む発言が流れるようにしてみました。とりあえず開いておけばよいというページを作りたくて。ただ、表示の仕方はまだ工夫の余地があると感じていて、もっと使いやすくしたいなと思っています。
―― 今後トラフィックをもっと増やしたいとか、そういった目標はありますか?
設樂 作ってすぐの頃はけっこう思ったのですが、もうすでにかなり多くなっていて、むしろ自分の意識のほうが追いついていないくらいの印象です。でも「buzztterっていいな」と思ってもらえる人が多くなると嬉しいですね。
これから、Twitterやその周りの世界がどうなっていくかはわからないのですが、buzztterがTwitterのよきお供でいられたら良いなと思っています。そのためにするべきことは沢山あるだろうなとも思っています。……あと、部屋が暑くならないようにしたいという気持ちはありますが(笑)。