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T教授の「戦略的衝動買い」 第68回

話題のチビパソ「NetWalker」を懲りずに衝動買い!

2009年09月24日 16時00分更新

文● T教授

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キーボード、WAN、Dropboxの3点が目下の課題

 まずは真っ先に試してみたのは、パソコンのようにキーボード入力できるモバイルデバイスという使い方だ。

 ThinkPadを持って行くほど大袈裟な用事ではないときにこそ、たった400gというNetWalkerの出番だろう。NetWalkerは全体に体感スピードが速いとはいえないが、超不満というほどでもない。明確な目的のある出張ではなく、都内を徘徊して、出先で原稿を書くくらいなら付属のgeditで十分だ。

 しかし、気になったのはキーボードのタッチだ。

 キーの機構上、明らかに本体を机上に置いて、タッチタイプという雰囲気ではない。また、昔懐かしい両手の親指でキーボードを打つ「スタンディングHPスタイル」をするには、キータッチが少しフニャフニャで、入力のたびにキートップが左右にグラついてしまう。その原因は、一本の棒だけで各キーを支えているところにあるのだろう。せめてシャープの伝統ある電子手帳のキーボードくらいにはしてほしかった。

「HP100LX」や「ウルトラマンPC」のような懐かしい操作スタイルが街に溢れるか!?

この手の入力にしては、やはりキーボードのストロークが柔らか過ぎるのが気になる。加えて、キートップの端を押すとシーソーのようになってしまう

一般的にモバイルPCのキートップはバランスを崩して押しても、キートップは均等に沈む。机の上で快適に入力するには必須の機構だ。コスト削減のしわ寄せか

筆者には懐かしい謎のキー「SysRq」(システムリクエスト:最上段右から2番目)はNetWalkerでもなぜか健在だ。確かにLinuxユーザは使うこともあるらしいが、開発者もその本来のキーの意味を知っているのだろうか……

 クラウドを活用するうえで鍵となる、ネットワーク環境もチェックしてみた。無線LANの接続は問題なくすぐに動作するが、現在の国内において、この手のクライアントにはWANのサポートが重要だろう。

 筆者はHSPA+に対応したイー・モバイル「D31HW」を持っているが、今のところこれをUSBポートに挿入しても認識してくれなかった。さらにD31HWからSIMカードを抜き取って、以前使っていたD02HWで試したところ、こちらは自動認識して、コミュニケーション・マネジャーから接続することが可能だった。この辺、今後の改善に期待したいところだ。

最新のUSBモデムが使用できないので、以前使っていたD02HWを取り出して、なんとかネットにつながった。デザイン的には全く似合わない……

D02HWを使用してネットに接続。Wi-Fiよりも広いWAN対応がまだしばらくは、クラウド時代のクライアントの必須アイテムだ

 また、筆者の情報不足からか、ネットワークストレージ「Dropbox」のLinux版をまだNetWalkerで使えていない。そんなキーボードとWAN、Dropboxという3つの課題を除けば、NetWalkerはなかなか快適だ。

 しかし、ThinkPadでもBlackBerryでもNetWalkerとほぼ同じことができる時点で、NetWalkerの入り込むスペースがなかなか見あたらない。

 きっと、ターゲットは、筆者のようなすでに軽量のモバイルPCを持っている実務的なユーザーではなく、パソコン未満のケータイのみを使っている人や、何台ものPCを持っているLinuxマニアなのかも知れない。しばらくは、毎日持ち歩いて、意義のある使い道を考えてみたいと思っている。

Open Ofiiceでプレゼンテーションソフトも可能だ。プロジェクター出力ができれば便利なのだが……残念。ThinkPadの出番はまだまだありそうだ

PDFファイルはそれなりのスピードで快適に表示される

ThinkPadでも、NetWalkerでも、BlackBerryでも、まったく同じことができてしまうクラウドコンピューティング時代。これからもますますユーザーはクライアント選びに頭を悩ませるだろう。さて、NetWalkerはどこの隙間に入れるのだろうか?


今回の衝動買い

アイテム:NetWalker
直販価格:44800円(ヨドバシカメラのオンラインストア)


T教授

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

 

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