キーボード、WAN、Dropboxの3点が目下の課題
まずは真っ先に試してみたのは、パソコンのようにキーボード入力できるモバイルデバイスという使い方だ。
ThinkPadを持って行くほど大袈裟な用事ではないときにこそ、たった400gというNetWalkerの出番だろう。NetWalkerは全体に体感スピードが速いとはいえないが、超不満というほどでもない。明確な目的のある出張ではなく、都内を徘徊して、出先で原稿を書くくらいなら付属のgeditで十分だ。
しかし、気になったのはキーボードのタッチだ。
キーの機構上、明らかに本体を机上に置いて、タッチタイプという雰囲気ではない。また、昔懐かしい両手の親指でキーボードを打つ「スタンディングHPスタイル」をするには、キータッチが少しフニャフニャで、入力のたびにキートップが左右にグラついてしまう。その原因は、一本の棒だけで各キーを支えているところにあるのだろう。せめてシャープの伝統ある電子手帳のキーボードくらいにはしてほしかった。
クラウドを活用するうえで鍵となる、ネットワーク環境もチェックしてみた。無線LANの接続は問題なくすぐに動作するが、現在の国内において、この手のクライアントにはWANのサポートが重要だろう。
筆者はHSPA+に対応したイー・モバイル「D31HW」を持っているが、今のところこれをUSBポートに挿入しても認識してくれなかった。さらにD31HWからSIMカードを抜き取って、以前使っていたD02HWで試したところ、こちらは自動認識して、コミュニケーション・マネジャーから接続することが可能だった。この辺、今後の改善に期待したいところだ。
また、筆者の情報不足からか、ネットワークストレージ「Dropbox」のLinux版をまだNetWalkerで使えていない。そんなキーボードとWAN、Dropboxという3つの課題を除けば、NetWalkerはなかなか快適だ。
しかし、ThinkPadでもBlackBerryでもNetWalkerとほぼ同じことができる時点で、NetWalkerの入り込むスペースがなかなか見あたらない。
きっと、ターゲットは、筆者のようなすでに軽量のモバイルPCを持っている実務的なユーザーではなく、パソコン未満のケータイのみを使っている人や、何台ものPCを持っているLinuxマニアなのかも知れない。しばらくは、毎日持ち歩いて、意義のある使い道を考えてみたいと思っている。
今回の衝動買い
アイテム:NetWalker
直販価格:44800円(ヨドバシカメラのオンラインストア)
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
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