このページの本文へ

ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第19回

Core i7/i5以降の最新インテルCPUロードマップ

2009年09月21日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

45nmのままでは儲けが出にくいCore i5

インテルが2009年2月に公開したロードマップ

インテルが2009年2月に公開したロードマップ

 問題は、微妙なCore i7とCore i5の将来製品である。2009年2月時点でのロードマップでは、デスクトップ向けの4コアCPU(=グラフィック非統合型)は2010年に入っても45nmプロセスのまま推移するという話だった。ところがこのままだと、製造原価が高すぎて利幅が十分に取れないという問題が発生する。

深夜販売時点でのCore i7/i5の価格

8日の深夜販売時点でのCore i7/i5の価格。現時点でも販売価格はほぼこの程度で、i5は2万円程度とかなり安い

 特にこれはCore i5で顕著だ。なにしろ、300mm2近いダイを持つCPUを、AMDのPhenom II X4を下回る200ドル未満で販売しているのだ。もちろん、これはPhenom IIに対する猛烈な対抗策であるが、結果として同じLynnfieldでも、より高価格なCore i7系は見向きもされずに、低価格なCore i5に人気が集中することになる。

 しかも、Core i5とCore i7の現時点での明確な機能差は、「Hyper Threadingが有効か否か」だけでしかない。ビデオエンコードはともかく、普通の利用ではHyper Threadingを無効にしても、それほど性能が下がらない(Windows 7で多少マシにはなったが、それでもHyper Threadingを無効にすると性能が上がるケースもいまだに少なくない)という現状では、Core i7系の人気がないのも無理ない話である。

 だからといって、Core i5の価格を引き上げたらPhenom IIへの対抗という意味合いが薄れる訳で、現実的な対策としては以下のような案になろうか。

  • 原価率を下げて利幅を増やすような努力をする
  • Core i7系の性能を引き上げることで、明確に差別化する

 原価率を下げるにはダイサイズを減らすしかなく、プロセスを変えずにこれを実現するのは難しい。また、Core i7系の性能を上げるには動作周波数を引き上げるしかないが、45nmプロセスのままこれをやるとTDP 95Wの枠をはみ出してしまうため、限界がある。ようするに、Core i7/Core i5共に、32nmプロセスへの移行が必要だろうと筆者は考えるし、実際こうした動きになるだろうと予測する。おそらく時期的には1年後、つまり2010年の後半になるだろうと想像されるが、そこまでは45nmでしのぐという形になるのではないかと想像される。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン