モバイルWiMAXで快適通信! 省電力ユーティリティもわかりやすく優秀
今回試用した機材は、モバイルWiMAXを内蔵したものであった。そのため、USBモデムなどをつなぐことなく、すぐにインターネットに接続できる。特にモバイルWiMAXは、接続までの待ち時間が短い。内蔵のインテル製ユーティリティを使い、あらかじめ設定をしておけば、モバイルWiMAXのサービスエリア内で電波を受信すると同時に、インターネット網への接続が行なわれるようになっている。
接続待ち時間は、おおむね10秒以内。速度的にも理論値で下り最大13Mbps/上り最大3Mbpsであり、まるで自宅で無線LANに接続しているかのような感覚である。WiMAXは今後4年以内に人口カバー率90%を超すと言われているので保険のためにも入れておきたい機能だ。
WiMAXを内蔵する利点は?
内蔵であることには、気軽さに加え、もうひとつのメリットがある。それは受信効率だ。USBモデムに比べ、パソコンに内蔵されたアンテナは受信効率が高い。特に、まだ利用可能エリアが狭く、電波が弱い場所が多いモバイルWiMAXの場合、受信効率の良いパソコンを選ぶことの意味は大きい。FMV-BIBLO LOOX R/D70の場合にも、USBモデムよりも全般的に良好な受信感度が維持されており、「内蔵ならではの強み」をはっきりと感じることができた。
ちなみに、LOOX R/D70では「UQ WiMAX」のサービスを利用することになる。8月末時点での首都圏でのサービスエリアは、西は八王子近辺、東は千葉県の総武線沿いに成田空港近辺まで、北は埼玉県・大宮駅のさらに北、東北新幹線の原市駅近辺までとなっている。埼玉県や千葉県、神奈川県ではまだ接続できない地域も多い。
万能性を備えたモバイルマシン
LOOX R/D70は12型ワイドで少し大柄なモバイルノートだ。それは記録型DVDドライブを内蔵しているからなのだが、重量も1.17kgと十分に軽く、大きな問題とはならない。新幹線や飛行機などでの長時間移動の際には、DVDビデオなどを楽しんで時間をつぶす人も少なくない。そんな用途にも適した製品といえる。
光学ドライブやモバイルWiMAXに限らず、LOOX R/D70には「内蔵デバイス」が多い。どれも重要なものだが、使わない時にはバッテリー消費を抑えるため、こまめに電源を切っておきたいものだ。
そのあたりは各社の工夫の見せ所だが、富士通のユーティリティーは、分かりやすさ重視になっている。しかもこれらの切り換えは、キーボード上部にあるワンタッチボタンでも行えるため、「頻繁に設定を切り換える」という利用スタイルの人でも、使用感が落ちることはない。
多くのユーザーのニーズに答えられる「万能性」が、LOOX R/D70の魅力といっていい。試用したのは天板の黒い「グロスブラック」モデルだが、富士通WEB MARTのカスタムメイドモデルであれば4種類の天板から好きなものを選択できる(ただし、モバイルWiMAX内蔵モデルはグロスブラックのみ)。
実用性・デザインの両面で「日本でのモバイルワーク」のスイートスポットを狙った商品。LOOX R/D70は、そういうキャラクターのモバイルノート、といっていいのではないだろうか。