管理者を悩ませるファイルストレージの増大
容量が増えると管理の手間が増えるってどういうこと?
2009年09月29日 13時00分更新
ストレージ運用管理を効率化
コスト削減にも寄与
ARXのグローバルネームスペース導入により、前述したようなファイルストレージの課題はどのように解決できるのか、具体的に見ていこう。
まずARXの導入により、クライアントは単一のマウントポイントで必要な共有フォルダにアクセスできるようになる。前述した例を用いると、営業部門、開発部門それぞれ1つずつマウントポイントを用意しておけば、ファイルサーバやNASの物理的な位置を意識せず、共有フォルダを利用できる。
また、ロードバランシング機能により、ファイルサーバの利用率が平準化されるので、空き容量を有効に活用できるようになる。前述した例でいうと、営業部も開発部も1つの巨大なディスクプールを共用すればよく、ディスクの無駄も節約される。また、開発部のメンバーも増設を意識せず、今までマウントポイントでディスクを利用可能だ。
とはいえ、データの増加はなかなか抑えられるものでもないので、増設は不可避というケースも多い。この場合でも、ARXを使えば、ディスクの増設作業で物理サーバが停止しても、仮想化されたファイルストレージ全体としてはノンストップで運用できる。しかもデータ移行も自動的に行なってくれるため、土日や夜間を狙って、増設やデータ移行を行なう必要がなくなる。管理者にとってはうれしいポイントだ。
さらに階層管理を導入すれば、アクセス頻度の高いファイルと低いファイルを自動的に分類し、高価・高性能なストレージと安価なストレージを意識せずに使い分けられる。また、バックアップに関しても重要度の低いデータのバックアップ頻度を落とすことでメディアも節約。これにより、ストレージにかかるコストが大きく削減可能となる。
階層管理によるコスト削減の事例 |
階層管理はコスト削減に大きく寄与する。上図の例を見ればわかる通り、ストレージの導入コストでは、データを高価なFCのストレージと安価なSATAストレージに分けることで、トータルコストを4年間で2840万円削減。一方、バックアップに関しては、重要度の高いFCストレージは週次、SATAストレージは月次で行なうことで、頻度を変えた。これにより、バックアップメディアを4年間で1550万円削減できたほか、時間の短縮や人件費の削減なども実現したという。
規模に合わせて4モデル用意
現在ARXは、1Uラックマウント採用で2ポート搭載の「ARX500」から、2Uラックマウント採用で6ポート搭載の「ARX1000」、4Uラックマウント採用で12ポート搭載の「ARX4000」、そして24ポート搭載でシャーシ型の「ARX6000」まで全4モデルが用意されている。
最新のARX4000は10Gbps Ethernetにも対応する高速なモデル |
最新のARX4000は、高速な10Gbps Ethernetにも対応し、上位のARX6000に匹敵する20億ファイルを扱えるパワフルなモデルだ。ファイルストレージ仮想化のニーズが大きく拡がってきたことを受け、2009年4月には30~40%という大幅な値下げも行なわれ、エントリーモデルの「ARX500」であれば399万円で購入できるようになった。
では、実際のARXの使い勝手や設定のイメージはどんな感じなのだろうか?次回は実際のデモをふまえて、紹介していこう。
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