四本淑三の「ミュージック・ギークス！」 第2回

Dixie Flatline×キャプテンミライ対談【後編】

プロが見る、ニコニコ動画と初音ミクの可能性

既存のシステムに帰結しても面白くない

――　ボーカロイドのアルバムがオリコンチャートに普通に入る現実もありますよね。メジャーの縮小で相対的に目立つのかも知れませんが、ニコニコ動画育ちのボーカロイド楽曲なら、原盤制作費もプロモーション費用もかからない。そういう売り手側の事情もある気がします。

「今の時代だからこそできる売り方を模索したほうが面白いと思うんですよ」

Dixie　メジャーデビューしたいと思う若い子は沢山いると思いますし、それはごく普通の流れだと思うんですけど、結局既存のシステムに帰結しちゃうと。

キャプミラ　ですね。今の時代だからこそできる売り方を模索したほうが面白いと思うんですよ。

Dixie　せっかく良い曲を作っている人なのに勿体ない。それに商売がらみで色んな人たちが集まってきちゃって、なんだか青田買いみたいなことが。

キャプミラ　もうそんな感じになってるもんね。そこは独立してやったほうがいいと思うんですよ。

――　ところで、お二人ともアルバムをiTunes Storeなどで配信^※しているわけですが、権利関係はどうですか？

Dixie　JASRAC登録でもないし、版権を管理しているわけでもないです。（利益分配も）良心的なパーセンテージだと思いますね。

キャプミラ　そうだね、そこに関しては問題を感じないですね。

^{※ iTunes配信のアルバム
Dixie Flatline: アルバム『Fragments』、EP『Just Be Friends』（iTunes Storeで見る）
キャプテンミライ: アルバム『幻想論』（iTunes Storeで見る）}

――　着うたは？

Dixie　あれは個別契約でやっています。

――　メジャー一本槍の昔から考えると、音楽の流通チャンネルや著作権の設定はいくつもあって、それぞれ自分でコントロールできる状況とも言えるわけですよね。

キャプミラ　若くて、音楽に夢を持っていて、DTMをやっている人は、今はすごく面白いと思いますね。