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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第2回

Dixie Flatline×キャプテンミライ対談【後編】

プロが見る、ニコニコ動画と初音ミクの可能性

2009年09月20日 12時00分更新

文● 四本淑三

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今は「不気味の谷」かも知れない

―― すでにメジャー、インディーズと並んで、ボーカロイドは独立した市場として成立しているように見えます。同人市場と言ってもいいかも知れませんが、この状況は続くと思いますか?

キャプミラ 作っている方は、もう終わるんじゃないかって半年くらい前から言っていたんですが。でもイベントに行くと、お客さんがどんどん増えている。右肩上がりなんですよ。

Dixie 昨日のボーマスも人がすごくてヤバかったもんね。今でこそ発声はつたないですけど、技術革新はずっとあるし、そのうち人間とほとんど変わらなくなるんじゃないかと思います。一度「不気味の谷」はあると思うんですが。

多くの入場客でにぎわうTHE VOC@LOiD M@STER 9会場。参加者は毎回増えているという

ボーマス: THE VOC@LOiD M@STER(ザ・ボーカロイド・マスター)の略称。ボーカロイドに関係するCDなどの即売が行なわれる大規模なイベント(公式サイト)。この取材は9月6日に行なわれたTHE VOC@LOiD M@STER 9のの翌日に行なった。朝まで飲んでいた二人は、実はほとんど寝ていない。

―― 「不気味の谷」って何でしょう?

キャプミラ 3DCGの世界なんかで言われていた事なんですが、技術が進んでリアルになって行くにつれ、見ている側の違和感が強くなっていくということです。でも、リアルさがある一線を越えると、違和感が消えて普通に受け入れられるようになる。ボーカロイドもそうだと思うんですよね。

Dixie CG映画も昔は馬鹿にされてきたじゃないですか。それが、だんだんクオリティが上がってきて、ピクサーが出てきてという流れがありましたよね?

―― じゃあ今のボーカロイドは『トロン』以降……。

Dixie 『トイストーリー』以前でしょうね。CGもあまりリアルになってくると、役者協会みたいなところが「CG使うな」みたいに言ってくる。その後、ピクサーが出てきて、上手く棲み分けが出来た。いずれボーカロイドもCGと実写映画のような関係になってくると思うんですよね。

―― その対比で言えば、一時的にアイドル市場が食われることはあるかも知れませんね。アイコンに感情移入して消費する構造は同じだから。

Dixie 僕らの世代からは信じられないんですが、いまのハイティーンには、普通のアイドルと同じようにアニメのキャラが存在しているんですよね。ヒップホップとかDJをやっている人たちでも、そんな風にアニメを見ている。若い子はフリーマインドだから。そもそもオリコンのチャートにアニメの曲が入るなんて、昔は考えられなかったでしょう?

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