ユーザーコミュニティーを利用して
多様化するウイルスに対抗するのがトレンドに
以上のように、各社から発売予定のセキュリティーソフトは、機能的にはほぼ似通ってきている。
ウイルスが非常に多種多彩になってきたことで、ソフトウェアベンダーだけで検体を集めることは不可能になっている。さらに最近のウイルスは、短時間で爆発的に感染拡大する傾向にある。そのため、セキュリティーソフトを利用しているユーザー全体で、ウイルスに対抗しようという方向性が主流になりつつあるわけだ。また、同じような仕組みを使って、悪意のあるコードが埋め込まれたウェブサイト(フィッシングサイトなど)を警告する手段も講じられている。
ただし、こうした機能が追加されたからといって、セキュリティーソフトの処理負荷が重くなることはない。ここ最近のセキュリティーソフトのトレンドは、ウイルスチェックの高速化やセキュリティーソフト自体による処理負荷を低減させる方向にある。それにより、ネットブックのような低性能パソコンでも、おおむね快適にセキュリティーソフトが利用できる。
64bit版の有無や1ライセンスでの
インストール台数もチェックしよう
もうひとつ、Windows 7でのセキュリティーソフト購入時に注意が必要なのは、「64bit版が用意されているか」である。Windows 7では、64bit環境に移行していくユーザーも数多くいるだろう。そのときに、64bit版と32bit版がひとつのパッケージに入っていないと、コストもかかる。
また、セキュリティーソフトによっては、64bit環境での動作を保証していない製品もある。Windows 7がリリースされ、64bit環境に移行しようと考えているユーザーは気にかけておいた方がいい。
最後に、「1本のセキュリティーソフトで、何台のパソコンにインストールできるか」というのも注意が必要なポイントだ。ソフトウェアベンダーによっては、1ライセンスで複数のパソコンにインストールを認めている。
しかし、セキュリティーソフトごとにインストールできる台数は異なる。最近のセキュリティーソフトは、1パッケージ(1ライセンス)で、3台のパソコンまでインストールできる製品が増えている。ただし、カスペルスキー2010は、2台までとなっている。うっかり3台にインストールしないよう注意しよう。
ソフトウェアベンダーによっては、追加ライセンスを安い価格で販売している場合もある。もし、ライセンスで認められている台数以上のパソコンにセキュリティーソフトをインストールするなら、パッケージを複数購入するよりも追加ライセンスを購入した方がお得な場合もあるので、ソフトウェアベンダーのウェブサイトを確認してみることをお勧めする。
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