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小規模MVNOの世界

Androidで、ケータイをなぞってもしょうがない

2009年09月16日 09時00分更新

文● ビジネス・ソリューション編集部

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早期にビジネスを立ち上げられる、端末の提供も

 IDYでは、こういったニーズに向けてAndroidのバージョン1.5に対応した開発キットも提供している。TECHFACE製のWindows Mobile端末にAndroidをインストールした評価機「i430T」(6万円台後半)と、それに各種ドキュメント、ハードウェアに特化したソースコード、バイナリなどが付属したフルパッケージ版の2種類が用意されている。

IDYが提供しているAndroid開発端末。TECHFACEのWindows Mobile端末を改造したものだ

本田 「開発機のCPUはMarvell PXA310-624MHzで、メモリーは256MB(Flash)と128MB(DRAM)ですね。フルパッケージ版にはソースコードを含んだビルド環境全部が含まれていて、ドライバーなどハードウェアに依存した部分も用意しています。Javaアプリを書いて検証するといった用途では評価機だけでも十分ですが、ミドルウェアの変更なども必要な場合はフルパッケージ版を入手してもらえればと思います」

 グーグルもDevPhone 1などの開発機を提供しているが、開発者ひとりに対して1台しか購入できないなど制限がある。

本田 「DevPhone 1との大きな違いは複数台の購入が可能である点です。小さいマーケットに向けて、あまり時間とお金をかけずに開発したい場合に、動作検証してこれでいいと思ったら、端末を購入してそのまま直にビジネスにつなげられるという点が利点だと思います」

グーグルの「Android Dev Phone 1」

 一方で、デメリットもある。例えばLCDの解像度がQVGAと低く、VGAのDevPhone 1向けに作ったアプリケーションはそのままでは動作しない。

本田 「こちらは将来的に改善する方向です。また、Androidマーケットに接続するためのアプリケーションも入手できていませんが、こちらはグーグルとの契約が必要になるため、順次話を詰めていきたいと考えています。ただし、われわれの立ち位置はあくまでもプラットフォーム開発であって、プロダクト開発ではありません。まずはi430Tでアプリケーションやサービスを開発し、それをいち早く活用してもらうために端末も提供する。そこで手ごたえを感じたら、別の端末を利用してより大きなビジネスに育ててもらえればと考えています」

 本田氏は、新しいサービスを企画したいが、通信には明るくない。そんな人でも簡単に導入できるような環境を提供したいと話す。携帯電話とは異なる新しいビジネスの創出。Androidはそのためのプラットフォームとしても期待される。

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