AIR SDKをインストールする
「SDK」とは「Software Development Kit」の略で、アプリケーションの構築に必要なツールがセットになったものです。「AIR SDK」には、AIRアプリケーションの開発からインストーラーの作成に必要なツールがまとまっており、アドビのWebサイトから無償でダウンロードできます。つまり、SDKを使えば、費用を一切かけずにAIRアプリケーションの作成~配布が可能です。
AIR SDKの入手からインストールの方法、シンプルなAIRアプリケーションの作成まで、基本的な手順をご紹介しましょう。
■AIR SDKのダウンロード
AIR SDKはアドビのWebサイトからダウンロードできます。Windows/Mac OS/Linux版がありますので、環境に合わせて入手してください。
●Adobe AIR SDK
http://www.adobe.com/products/air/tools/sdk/
■JREの確認
ダウンロードが終わったらすぐにインストールしたいところですが、SDKに含まれるプログラムはJavaで作成されているため、SDKの実行にはJRE(Java Runtime Environment: Javaプログラムを実行するための環境)が必要です。AIR SDKに必要なJREがインストールされているか、チェックしてみましょう。
「スタートメニュー」→「アクセサリ」にあるコマンドプロンプトで次のコマンドを入力します。
C:¥Users¥R. Miyata>java -version
次のようなメッセージが得られたら、”1.5.0_15”の部分にある「バージョン」を確認します。バージョンが”1.4.0” 以上なら、すぐにAIR SDKを使用できます。メッセージが表示されない場合は、JREをインストールし、パスを設定してください。
java version "1.5.0_15"
Java(TM) 2 Runtime Environment, Standard Edition (build 1.5.0_15-b04)
Java HotSpot(TM) Client VM (build 1.5.0_15-b04, mixed mode, sharing)
AIR SDKを利用する
AIR SDKのインストールは、Windows/Mac OS/Linuxともにダウンロードしたファイルを解凍するだけです。解凍後にできる「bin」というフォルダーにSDKの主要コマンドが格納されています。OSの環境変数でbinフォルダーへのパスを設定しておくとよいでしょう。
■SDKコマンドの実行
はじめに、AIR SDKコマンドの動作を確認してみましょう。たとえばSDKを解凍したフォルダーがC:¥AIR_SDKの場合、次のように入力します。
C:¥Users¥R. Miyata > cd ¥ [Enterキー]
C:¥> cd air_sdk [Enterキー]
C:¥ AIR_SDK> <<=このような表示になれば成功です。
C:¥AIR_SDK> cd bin [Enterキー] binフォルダーに移動します。
続いて、以下のように入力します。
C:¥AIR_SDK¥bin> adl -help [Enterキー]
下記のようなメッセージが表示されたら、AIRアプリケーションを実行できます。
C:¥AIR_SDK¥bin>adl -help
usage:
adl ( -runtime <runtime-dir> )? ( -pubid <pubid> )? -nodebug? <app-desc> <root
-dir>? ( -- ... )?
adl ?help
■SDKコマンドラインツールの内訳
ここでdirコマンドを使って、binフォルダーの内容を確認しましょう。
C:¥AIR_SDK¥bin> dir [Enterキー]
すると、次の2つのファイルがあることが分かります。
- adl.exe
- adt.bat
これら2つがAIR SDKのメインコマンドです。それぞれの機能は以下の通りです。
- AIR Debug Launcher(adl.exe)
- AIRアプリケーションをインストールせずにテスト実行するプログラムです。新しいAIRアプリケーションや、自分で作成したアプリケーションを試しに動かしてみたいときなどに役立ちます。
- AIR Development Tool(adt.bat)
- AIRアプリケーションを配布可能なインストールパッケージとしてパッケージングするプログラムです。作成したプログラムをインストーラー付きでパッケージングすることで、本格的に配布できるようになります。