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この秋注目のデジカメを総ざらい! 第3回

小型軽量の本格派。ペンタックス「K-7」の実力

2009年09月18日 18時00分更新

文● 周防克弥

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速度はそれほどでもない荒川線だが、これだけの間隔で撮れれば十分だろう。シャッター音が小気味良く、ファインダーの消失時間も短いため、フレーミングを追いかけるのも難しくない

秒間5.2コマの高速連写ができる

 連写速度は約5.2コマ/秒で連続40コマの撮影ができる。もう少し長く撮りたい場合には連写速度を落として約3.3コマ/秒に切り替えることで、メモリカードの容量いっぱいまで撮影できる。

 「EOS-7D」や「D300S」と比べると若干遅いが、一昔前の銀塩時代には最高級機でさえ秒間5コマが普通だった。それに比べれば十分なスピードといえるだろう。それにこれ以上のスペックを必要とする撮影は(スポーツのプロカメラマンでもない限り)そうそう発生するものではない。


最高感度はISO 6400まで

 感度設定はISO 100~3200まで。感度拡張設定を有効にすることでISO 6400まで対応できる。

ISO 100

ISO 100

ISO 200

ISO 200

ISO 400

ISO 400

ISO 800

ISO 800

ISO 1600

ISO 1600

ISO 3200

ISO 3200

ISO 6400

ISO 6400

 最高感度のISO 6400はちょっとノイズが多めな感じだ。ディティールの表現力も低下し、細かい部分の再現性はかなり落ちている。ISO 800ですでにはっきりとノイズが判別できてしまう。ISO 1600からは色ノイズも混ざるので、使用時にはそれなりの覚悟が必要になる。ノイズを気にしないで使えるのはISO 400までか。


自分なりの色を作るカスタムイメージ

 ペンタックスのデジタル一眼に共通搭載されている絵作りの基本機能が「カスタムイメージ」だ。輪郭強調、彩度、コントラスト、明るさ、色相を一括で制御できる機能で、他社でも同様の機能が用意されている。

 キヤノンでは「ピクチャースタイル」、ニコンでは「ピクチャーコントロール」と呼ばれている機能だが、これは概ね、メーカーの推奨する色を規定するための機能であり、標準で設定されているものがそのメーカーの基本になる色である。もちろん同一メーカー内で異なってしまっては困るので、このような機能で調整するというわけだ。基本的には同じメーカー、同じ設定のデジタル一眼ならば、同一の発色やコントラスト、シャープネスや彩度で写るように調節されている……はずだが、異なる撮像素子を使えば、メーカー内でもやはり多少は写り方が変わってしまう可能性はある。

 K-7には、「鮮やか」「ナチュラル」「人物」「風景」「雅」「ほのか」「モノトーン」の7つのカスタムイメージがプリセットされている。出荷時の設定は「鮮やか」になっており、これがペンタックスの目指す色なのだろう。「ほのか」はK-7から新たに加わった設定だ。なお、モノトーンは彩度が下がるのみということもあり、サンプルでは省かせてもらった。


カスタムイメージの撮影サンプル

鮮やか

ナチュラル

人物

風景

ほのか

 これは好みの問題にもなってくるが、鮮やかが一番コントラストが高く色の乗りがいい。ナチュラルは発色こそ控えめだが、一番現物に近い感じ。誇張が少なく大人しめな感じだが、派手に色をいじっていないだけ、印象が良い。基本的に暗部の持ち上げがあり、シャドー部の再現性が上がっている。かといってコントラストが低いわけでなく、明部と暗部のメリハリはあるので不自然さは無い。

 風景モードは適度なコントラストと派手な発色が特徴だ。特に青空の青と木々の緑の発色は見た目以上にきれいな印象を受ける。以前同社のK-mで雅の写真を見たときには派手な印象があったが、今回は落ち着いた良い感じになっている。

 ほかのは彩度が下がり色褪せたような効果が出ている。が、青空の色が完全に消えてなかったり、ちゃんとコントラストがあるのを見ると被写体が派手な色相の場合には、面白く写る予感がする。

 カスタムイメージも設定画面で細かく調整ができる。今回新たにハイキー/ローキーが加わっており、プレビュー画面を見ながら設定できるので、見た目の雰囲気や印象を確認しながら設定が行なえる。

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