このページの本文へ

プロジェクター内蔵デジカメは使えるか!?

2009年09月15日 12時00分更新

文● 行正和義

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

プロジェクター機能はシンプル

撮った写真を自宅でゆっくり鑑賞するのもよし、みんなでワイワイ楽しむのもよし。「お気に入りフォルダ」式の画像管理も可能なので、見せたい写真や見たい写真だけのスライドショーも可能

撮った写真を自宅でゆっくり鑑賞するのもよし、みんなでワイワイ楽しむのもよし。「お気に入りフォルダ」式の画像管理も可能なので、見せたい写真や見たい写真だけのスライドショーも可能

ハガキくらいのサイズならばかなり明るく投影できる。写真は半透明のスリガラス状のシートに裏面から照射してみたところ。プロジェクター機器には用意されている背面照射スクリーンモードを本機は持っていないため左右が反転しているのが残念

ハガキくらいのサイズならばかなり明るく投影できる。写真は半透明のスリガラス状のシートに裏面から照射してみたところ。プロジェクター機器には用意されている背面照射スクリーンモードを本機は持っていないため左右が反転しているのが残念

 本機ならではのプロジェクター機能だが、操作自体は非常に簡単で、本体上面左にあるボタンを押せば、液晶表示が消えて本体前面中央から投影が始まる。プロジェクターは映写距離によってピント合わせが必要だが、これは上面のスライドを左右に動かして調整する。

ズームレバーはシャッターボタン周囲。中央に大きくピント合わせレバー(機械式)があり、左端にあるのがプロジェクター投影ボタン

ズームレバーはシャッターボタン周囲。中央に大きくピント合わせレバー(機械式)があり、左端にあるのがプロジェクター投影ボタン

 プロジェクター投影時にも十字キーで画像の送り/戻し、ズームレバーで拡大/縮小/一覧表示などの操作ができるものの、プロジェクター素子の焼き付きを防ぐためかMENUボタンを押すと液晶表示に戻るようになっている。また、当然ながらスライドショーも可能で、BGMや画面切り替え効果、1枚あたりの表示時間の設定が可能。表示時間は手動送り(カーソルで送る/戻す)も可能なので、画像を用意してプレゼンに使うこともできそうだ。

 最近のプロジェクター製品ではオートフォーカスが付いていたり、スクリーンに対して斜めに投影したときの斜変形機能が付いていたりと機能豊富だが、さすがにこのサイズに詰め込むのは無理だったのか、基本的に投影するだけのシンプルなものだ。カメラを縦位置で撮ったときの画像を90度回転させるには、あらかじめ手作業で回転指定を行なう必要があり、できればプロジェクター使用時でもワンタッチで指定できるとありがたかった、


プロジェクター内蔵でも小さいサイズ

 実機を手に取ってみると驚くのは、なにより普通のコンパクト機としてまったく違和感のないサイズに収まっていることだろう。

 たとえば、同じくユニーク機能搭載の富士フイルム「FinePix REAL 3D W1」はレンズ2つを収めることもあって横幅123.6mm、重量は約300g(撮影時)と一回り大きく重いボディになっていて、他のFinePixスリム機と似たデザインが逆に違和感を覚えるほどなのだが、本機の場合はプロジェクターを内蔵しているにもかかわらず、横幅で99.6mm、重量約180g(実測値)と、ほとんど一般的な薄型コンパクトと大差ない。

 もちろん、最新のスリム機の場合はかなり薄くて軽量なものもあるのだが、少なくとも昨年や一昨年のコンパクト機と比べても遜色のないサイズに収まっているのはかなり驚かされる。

 撮影に関してはオート中心で利用するカメラということもあってとくにこれといった不満はなく、各種操作のレスポンスもかなり良い。広角28mmレンズは周辺部で若干暗くなるものの描写の劣化はそれほど目立たなく、普通に広角系コンパクトとして使うのも良さそうだ。ただし、ISO 800を超えるとかなりノイズが目立ち、ISO 6400/3200では画素合成によるノイズ低減機能(3Mモードになる)はあるものの、かなりざらついてしまう。


撮影サンプル

広角28mmという数値はいまではコンパクト機でもそれほど珍しいものではないものの、やはり風景を収めるには使いやすい。周辺、とくに右上側がやや暗くなる傾向にある。オートモード、1/280秒、F7.8、ISO 80(オート)。元画像は4000×3000ドットで、掲載用に800×600ドットにそれぞれリサイズ・トリミングしている(右)

望遠側での撮影。光学5倍ズームも光学式手ぶれ補正のおかげで気軽に撮れるのもありがたい。メリハリのしっかりした画像は低感度域ではノイズも少なくすっきりとした印象だ。オートモード、1/382秒、F5.8、ISO 80

感度を上げると画像はややざらつきやすいが、過度なノイズ低減処理によって細部が潰れてしまうよりはいい。とはいえISO 800程度までが見られる範囲で、ISO 1600だとかなりきつい。また3200/6400では画素合成によるノイズ低減が行なわれるが、輪郭や細部が潰れ気味なのでできれば避けたいところ。プログラムオート、1/3秒、f3.9、ISO 800

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン