2つのモードが加わった「ピクチャーコントロール」
ニコンのデジイチではお馴染みの「ピクチャーコントロール」は、輪郭強調、彩度、コントラスト、明るさ、色相を一括で制御できる機能で、どのカメラを使っても同じ結果が得られるようにチューニングされている。D300Sには4種類(「スタンダート」「ニュートラル」「ビビッド」「モノクローム」)がプリセットされているが、ウェブページからファームウェアをダウンロードすることで「ポートレイト」と「風景」を加えることができる。
スタンダートが中庸的、ニュートラルが発色抑え目で忠実な色再現、ビビッドが色を強調した感じに仕上がる。これらのプリセットから自分好みに各項目をいじって設定を保存しておくことができる。
撮る気分を盛り上げてくれるデジイチ
画素数は1230万画素と(APS-Cサイズとはいえ)フラッグシップを名乗るには若干少ない気もするが、カメラの基本性能は高く、作りがしっかりしているため、写真を撮っていても安心感がある。シャッター音は良い響きがあり、機械的にシャッターが動いてるという感覚を持つことができる。最近はシャッター音が安っぽく、スイッチ的にシャッターが切れるデジイチが多いが、D300Sは確実に機械が動いてるという雰囲気を与えてくれる。
視野率100%の見やすいファインダーに加え、精度の高い51点のAF測距点は中央部の15点にクロスセンサーを採用し、より高精度なピント合わせが可能だ。レンズごとにピント位置の微調整を設定できたり、動作音を抑える静音撮影モードなど、プロでも十分に使える機能がそろっている。スペック的に際立った部分は少ないが、写りやカメラの質で勝負でき、撮る気分を盛り上げてくれるデジイチだ。
次回はペンタックスのAPS-C上位機種「K7」を紹介する。今年5月に発表された機種であるが、その性能とコストのバランスは絶妙であり、今回触ってみて個人的に欲しくなってしまった注目デジイチである。乞うご期待。
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