このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

GIZMONレンズであれこれ撮ってみました

北京で、魚眼で、iPhone──外部レンズの誘惑

2009年09月11日 17時00分更新

文● 塩澤一洋(成蹊大学法学部教授)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

想像以上に寄れるマクロレンズ

 前述のとおり、「ワイド&マクロレンズ」は、そのまま使うとワイドレンズ、上部を外すとマクロレンズと、1個2役のおいしいアタッチメントだ。実はこれ、予想を超えるすごいマクロなのだ。

「ワイド&マクロレンズ」から「ワイド」部分を取り外し(写真右端)、「マクロレンズ」にした状態(写真中央)。

 北京では「でっかい中国」を撮るのが面白くて、フィッシュアイレンズばかり使ってしまった。帰国してから改めて、「ワイド&マクロレンズ」で撮影してみた。なかでもマクロレンズの威力はすばらしい。想像以上に寄れるのだ。

 このレンズは元々iPhone 3G用とうたわれているので、iPhone 3Gと比べて格段に近接撮影ができるようになったiPhone 3GSでは、マクロレンズのアタッチメントはそんなに必要ないだろうと勝手に考えていた。でも甘かった。使ってみて驚いた。想像していたよりもはるかに近くまで寄って撮れる。これはマジなマクロレンズだ。過小評価してしまって申し訳ないことをした。

 たとえば、ホオズキを撮るとき、どこまで寄れるか、と考えてホオズキに寄っていったら、なんとホオズキよりずっと近くにあるヘタの先端にさえピントが合ってしまうのだ。すばらしい近接能力である。

ヘタの先にピントを合わせて、ホオズキをぼかすことができた

 もちろん、iPhone 3GSであれば、「触ったところにピントが合う」機能が生きる。モニター上に大写しになったホオズキのうちで、「ココぞ」と思うポイントを指で触れれば、その場所にピントが合ってくれる。

今度は根元に合わせてみる

 ホオズキの質感まで描写する、目の覚めるようなマクロレンズなのだ。下の写真のように、ほおずき全体を写すことだってできる。

これだって十分「マクロ」な写真だけれど、上の2枚を見た後だと、なんだか当たり前に見えちゃう。人間の感覚は贅沢にできている

 最後に、同じ場所で、ワイドレンズを使って撮った写真を掲載しよう。

 ワイドレンズを使うコツは、「普通っぽく撮る」こと。もちろん、「ワイドでございます」と言わんばかりの遠近感を強調した写真も面白い。けれども、日常の世界をワイドレンズで撮るときは、ワイドっぽさを出しすぎず、おとなしく撮る方が自然だ。

普通に撮影したように見えて、実はワイドレンズを使っている


アプリとの組み合わせで「楽しさ」が広がる

 写真を撮る楽しさ日常にもたらし、撮った写真で遊ぶ楽しさを大きく広げてくれるiPhone。撮った写真を友人とシェアしたり、ソフトでデジタル加工することで、写真の魅力と楽しみ方が増幅するのだ。iTunes Storeにアクセスすれば、そんなアプリが揃っている。

 考えてみれば、写真を撮るときにカメラの入り口で現実の光を取り込むのはレンズだ。レンズのバラエティーは写真のバラエティーに直結する。「GIZMON iPhone 3G用 フィッシュアイレンズ」と「GIZMON iPhone 3G用 ワイド&マクロレンズ」は、iPhoneの写真に、デジタルではなく「光学的な」バラエティーをもたらすのだ。さらにiPhoneならではのアプリと組み合わせれば、楽しさは倍加する。

 この2つのアタッチメントレンズの最大の魅力は、そういった楽しさ、面白さを広げることによって、iPhoneで写真を撮りたい、という気持ちをふくらませてくれることなのである。

iPhone 3GSのカメラ機能をフル活用したい方は、ぜひフィッシュアイとワイド&マクロを手に入れてみてはいかがだろう?


筆者紹介──塩澤一洋


 「難しいことをやさしくするのが学者の役目、それを面白くするのが教師の役目」がモットーの成蹊大学法学部教授。専門は民法や著作権法などの法律学。表現を追求する過程でMacと出会い、六法全書とともに欠かせぬツールに。2年間、アップルのお膝元であるシリコンバレーに滞在。アップルを生で感じた経験などを生かして、MacPeople誌にて「shioの三つ星ガイド」を連載中。



前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

ASCII.jp RSS2.0 配信中