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週刊 PC&周辺機器レビュー 第22回

ポケットに入る50型プロジェクター MPro120

2009年09月11日 12時00分更新

文● 池田圭一

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小さいのに高精細、LCOSの威力

 MPro120の心臓部となるのが、LCOSと呼ばれる表示装置である。比較的小型のプロジェクターでは、小さな液晶パネル(単板か3原色の3枚)を使うものや、半導体集積回路上に極小のミラーを並べたDMD(Digital Micromirror Device)を用いる「DLP」(Digital Light Processing)方式のものが一般的だ。前者は透過型、後者は反射型となり、それぞれにメリット・デメリットがある。

 LCOSは両者の良いところだけを集めた表示装置と言える。Liquid Crystal On Siliconと呼ぶように、シリコン基板の上に直接液晶を集積したもので、液晶の電極が光を反射する。液晶と言っても透過式液晶とは異なり、液晶画素の配線が光の邪魔にならないし、DLPのように反射させることで画素が目立たないという特性がある。

LCOSデバイスの構造

LCOSデバイスの構造。電極が邪魔にならないので、液晶部の開口率が高く投影像が明るいのが特徴だ

 デバイスの光学特性がよいために、光源を効率のよい超高輝度LEDにすることができ、発熱を抑えて、バッテリー駆動が可能になったというわけだ。MPro120は、R(赤)G(緑)B(青)3色の高輝度LEDを用い、それぞれを断続的に点滅、高速に切り替えて映像を作り出している。投影レンズ側から減光フィルター越しに撮ると、LCOSの表面の様子が見えた。

投影中のMPro120

投影中のMPro120(左)を、フィルターを付けたカメラで接写してみた(下3枚)。光源のRGB-LEDの点滅タイミングと、LCOS表面の液晶画素パターン切り替えが連動しているのがわかる

モバイルノートの画面も大きく投影できる

モバイルノートの画面も大きく投影できる

 標準モードでパソコンの動画ファイルを再生したところ、ときおり空冷ファンの回転音が聞こえるものの、騒音といえるほどのものではない。また、そのときに本体を手で触っても、熱はほんのりと暖かく感じる程度だ。光源にメタルハライドランプを使う一般的なプロジェクターのように、使用後の長時間冷却も不要。使うときに充電済みのMPro120をポケットや鞄から取り出して、使い終わったらすぐにしまえる。

 ちなみに、MPro120の光源LEDの寿命は約2万時間。週5日、1日4時間使っても20年近く保つ。光源についてはほぼ半永久的にメンテナンス不要といえる。

 超高輝度LEDを光源とするLCOSデバイスによる投影は、バッテリーでの長時間モバイル運用を可能にしたという点で、プロジェクターの新境地を開拓した。

 モバイルノートのネックだった「表示画面が小さい」というデメリットを補って、ビジネスのプレゼンシーンで効果的に利用できるのをはじめ、アナログRGB出力があればネットブックでも使える。「それでも荷物が多い」なら、ビデオ出力可能なデジタルカメラをつないでもいい(iPhoneやiPodでもいい)。

 家庭内でも、パソコン画面やビデオ再生を壁や天井に映せるし、MPro120と小型映像機器と組み合わせて、屋外や車中でスライドショウやビデオ上映を楽しむのも一興だろう。使い方次第で、いろいろとおもしろいことができそうな、久しぶりに物欲を刺激されたデバイスであった。

家庭内ではスライドショウやパソコン用プラネタリウムソフトなどを楽しむのにお勧めだ

MPro120 の主な仕様
投影方式 LCOS
表示画素数 640×480ドット(アスペクト比 4:3)
光源 RGB発光ダイオード
コントラスト 200:1
明るさ 10ルーメン(省電力)、12ルーメン(標準)
投影距離 63~1024mm、マニュアルフォーカス
投影サイズ 8~50型
入力信号、 アナログRGB(640×480~1280×800ドット)、コンポジットビデオ(NTSC、PAL)
サイズ 幅120×奥行き60×高さ24mm
質量 約154g(電池含む)
バッテリー駆動時間 約4時間(省電力)、約2時間(標準)
OS Windows XP Home Edition SP3
価格 5万8590円(3Mオンラインストア価格)

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