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T教授の「戦略的衝動買い」 第66回

役立たずだが、そこがいい 「腕日時計」を大人買い

2009年09月10日 16時00分更新

文● T教授

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日本では角度が合わずに……

 日時計の仕組みを理解するには、お天道様の動きを知ることが一番だ。

 東から昇って西に沈む太陽の下に棒切れをまっすぐ立てれば、棒の影が太陽の動きとは逆に西から東に少しずつ移動して行く。その棒の根元に、真西の0度から真東の180度までを底辺とする半円を置いて、25度、20度、15度、12度、10度、8度、8度、10度、12度、15度、20度、25度と不均等で12分割する。中央の最も高い位置を正午とすることで、日時計の文字盤ができあがる。

 公園などに設置されている大型の日時計は、棒切れの代わりに「ジョーズ」のフィンのような三角形が置かれているはずだ。フィンの立ち上がり角度は、日時計を使用する場所の「緯度」と同じ。東京は東経139度/北緯35度41分なので、約35度なら時間を計測できる。

 Sun Dialもフィン付きの日時計だが、残念ながら実用において致命的な欠点があった。フィンの立ち上がり角度を分度器で測ってみたたところ約30度だったのだ。ニューオリンズの野外ジャズライブ会場か、ピラミッドの横を歩くラクダの上ならまだしも、東京ではまるで役に立たない。

原稿を書くために久しぶりに分度器を出してきた。昔の分度器の方が使い勝手がいい

マジに日時計を使おうと考えるならコンパスは必須だ

夕方、野外に出て時刻を調べてみた。写真では17時半を指しているが、約1時間弱の誤差だった

日本ではまず役に立たないSun Dial(左)と、自慢はできるが見えにく過ぎて実用性の低いB&Rのファントム(右)。シンプル/複雑と見かけは違っても、実用性では変わらない

 機能性がゼロで、重さも95gと腕時計にしては重量級。そんな時計を身につけて持ち歩く意味は、少しお茶目な話題と、嫌みにならない程度のうんちく自慢のきっかけを提供することだろう。

 スローなイメージの「腕日時計」は意外と女性に人気なのだ。ときには、「文字盤開けたらデジタル時計?」なんてストレートで純粋な質問を浴びせられることもある。それも話題性のひとつと大らかに受け止められる人だけが活用できそうな、大人のためのシンプルウォッチだ。

一緒に持ち歩くアイテムもこんな感じでイメージを揃えたい


今回の衝動買い

アイテム:フォッシル「Sun Dial」
購入価格:7350円


T教授

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

 

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