このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

Windows 7はビジネスPCを変えるか? 第4回

日本HPに聞く、Windows 7は起爆剤

2009年09月07日 09時00分更新

文● 遠竹智寿子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

取材を終えて

 取材を通じて、HPからWindows7に対する期待度の高さが感じられた。

 ビジネスPC分野においても、慎重にではあるが、あまり時間を置かずにWindows 7への入れ替え需要を促進していく構えのようだ。ユーザーセグメント別には、「小規模ビジネスはコンシューマーに近く、未来への投資として新OSを見ている」「500人を超す規模では、何千セットなどといった運用と互換性が重要になってくる」など、それぞれの推進ポイントを掲げ、包括的な仕掛けを用意していく姿勢が感じられた。

 特に大久保氏のWindows 7に対しての「これがダメなら後がないというくらいの気持ちを持っている」という言葉が印象に残った。10年前に種を蒔いた直販ビジネスが形となり、シェア拡大という成果を出してきた現状に、さらなる追い風を仰ぎ躍進したいというところだろう。

 先日、別件で販売代理店数社を取材する機会があった。その席上でも代理店内が扱う製品でのシェアが非常に高くなってきていることや、今年に入ってから目標数値をクリアしている稀有な企業のひとつであることを聞いた。

 前田氏は「機種選定の共通化について、メーカーがやるだけでもメリットは大きい」と語っていたが、こうしたディーラーやリセラーとの連携は日本HPの強みである。中小規模企業のみならず、大手企業へのニーズも推し量りながら、Windows 7を力強く推し進めていくのではないかと予想される。

 ただ追い風となるはずのWindows 7だが、その導入に対する情報をマイクロソフトがしっかりと提供できているのかどうか疑問に感じる面もあった。例えば、ボリュームライセンスやソフトウェアアシュアランスの仕組みは複雑で分かりにくい印象がある。筆者も今回の取材で、初めて知った内容があった。

 同時に世界市場では積極的に進めている64ビット化を国内市場でどう進めていくかについて姿勢やかじ取りが不明確な点も気にかかる。パソコンのスペック向上を考えていけば、64ビット化そのものは必然の流れであり、その指針が見えないのは若干心細い。マイクロソフト日本法人のイニシアチブに期待したいところだ。

■関連サイト

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事