XPモード、64ビット化についてはどう見るか
Windows 7の一連の新機能ならびに64ビット化についてはどのような感想を持っているのだろうか?
前田 「Windows 7には期待しているし、市場を活性化する起爆剤になるとも感じています。中身についてはマイクロソフトも自信を持っているが、そこは顧客ありきの部分です。企業ごとに最適かどうかを判断しつつ、資産との互換性を含めてすべての機種をWindows 7 Readyにしていきます」
9月1日には、ビジネス向けエディションの「Windows 7 Professional」「Windows 7 Enterprise」のボリュームラインセンス提供が始まった。HPでもサポート体制を整えて、既存モデルにも、ドライバー提供をしていく考えだ。
基本的には現行のマシンは対象になるとのことで、どこまで逆上るかについては、順次公開していく予定だという。
一連の新機能の中では、互換性に配慮し、仮想化の技術も取り入れたXPモードへの期待感が強い。
大久保 「XPモードは、各種レビューなどを見る限りでは高く評価しています。しかし、そのためにはメモリ容量などハードウェアリソースが必要となるため、ユーザーがどのように判断するかが気になるところです。仮想化そのものは珍しくない技術ですが、インテルがオフィシャルでサポートしている点は強い。VPNに変わるソリューションも用意され、社内アクセスが格段に良くなります。Windows 7世代では、外部から企業のパソコンにアクセスして使う、特別なソリューションが進んでいくかも知れませんね」
とはいえセキュリティや管理機能については、HP独自の取り組みもある。これらの機能と合わせてアピールポイントが強まるものもあれば、競合する部分も出てくるだろう。
前田 「弊社がトータルケアの中で提供している『HP CarePack PCトレーシング』は、盗難・紛失の際にパソコンを追跡し、リモートでデータ消去の指示出せるサービスです。そういった独自のものは続けていきたいと考えています。持ち出して使うという観点では、シンクライアントのニーズにも答えていく必要があります。実使用環境と照らし合わせて、リスクがある部分は徹底的につぶしていく考えです」
複数の選択肢の中から何を選ぶかはユーザーの目的によって違いが出てくる。そのためのサポート体制も用意する考えだ。
前田 例えばウイルスブロックは、インテルもWindows 7もやっているし、市販のソフトウェアもある。使い勝手のいいものをユーザーが選択してくださいという感じになると思います。その違いを、どのようにして説明していくかは大変な作業ですが、メーカー(HP)がやらなければならないと考えています」
一方で64ビット化に関しては、不透明な部分が強いようだ。
大久保 「マイクロソフトも64ビットが普及しないのは日本だけだと言っていますが、日本ではニーズがないというのが正直なところです」
この点に関しては、マイクロソフトの日本法人も消極的な印象を感じざるを得ない。動作検証を積極的に行い、啓蒙活動を進めない限りその意識は変わらないだろう。
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